• "自己研さん"(/)
ツイート シェア
  1. 埼玉県議会 2022-06-01
    06月28日-05号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 4年  6月 定例会六月定例会  第十二日(六月二十八日)令和四年六月二十八日(火曜日)第十二日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問    三十二番  関根信明議員     十五番  八子朋弘議員    三十三番  木下博信議員 三 次会日程報告    六月二十九日(水) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員    八十六名         二番  金野桃子議員         三番  岡村ゆり子議員         六番  石川誠司議員         七番  小川直志議員         八番  杉田茂実議員         九番  深谷顕史議員        十二番  秋山もえ議員        十三番  平松大佑議員        十四番  柿沼貴志議員        十五番  八子朋弘議員        十六番  中川 浩議員        十七番  阿左美健司議員        十八番  高橋稔裕議員        十九番  逢澤圭一郎議員        二十番  千葉達也議員       二十一番  渡辺 大議員       二十二番  松井 弘議員       二十三番  高木功介議員       二十四番  橋詰昌児議員       二十六番  白根大輔議員       二十七番  守屋裕子議員       二十八番  江原久美子議員       二十九番  松坂喜浩議員        三十番  並木正年議員       三十一番  宮崎吾一議員       三十二番  関根信明議員       三十三番  木下博信議員       三十四番  藤井健志議員       三十五番  美田宗亮議員       三十六番  吉良英敏議員       三十七番  松澤 正議員       三十八番  宇田川幸夫議員       三十九番  浅井 明議員        四十番  安藤友貴議員       四十一番  町田皇介議員       四十二番  辻 浩司議員       四十三番  前原かづえ議員       四十四番  浅野目義英議員       四十五番  石川忠義議員       四十六番  井上 航議員       四十七番  岡 重夫議員       四十八番  飯塚俊彦議員       四十九番  内沼博史議員        五十番  岡田静佳議員       五十一番  細田善則議員       五十二番  永瀬秀樹議員       五十三番  日下部伸三議員       五十四番  小久保憲一議員       五十五番  立石泰広議員       五十六番  新井 豪議員       五十七番  権守幸男議員       五十八番  萩原一寿議員       五十九番  山根史子議員       六十一番  村岡正嗣議員       六十二番  醍醐 清議員       六十三番  鈴木正人議員       六十四番  荒木裕介議員       六十五番  岡地 優議員       六十六番  小川真一郎議員       六十七番  齊藤邦明議員       六十八番  武内政文議員       六十九番  須賀敬史議員        七十番  新井一徳議員       七十一番  梅澤佳一議員       七十二番  横川雅也議員       七十三番  白土幸仁議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  水村篤弘議員       七十七番  山本正乃議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  中屋敷慎一議員        八十番  諸井真英議員       八十一番  神尾高善議員       八十二番  高橋政雄議員       八十三番  田村琢実議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  木村勇夫議員       九十三番  田並尚明議員   欠席議員    一名        六十番  秋山文和議員地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   大野元裕  知事   砂川裕紀  副知事   橋本雅道  副知事   高柳三郎  副知事   堀光敦史  企画財政部長   小野寺 亘 総務部長   真砂和敏  県民生活部長   三須康男  危機管理防災部長   目良 聡  環境部長   金子直史  福祉部長   山崎達也  保健医療部長   板東博之  産業労働部長   小畑 幹  農林部長   北田健夫  県土整備部長   村田暁俊  都市整備部長   宍戸佳子  会計管理者   北島通次  公営企業管理者   今成貞昭  下水道事業管理者   高田直芳  教育長   原 和也  警察本部長             発言(質問)通告書  六月二十八日(火)議席番号 氏名      要旨 答弁者三十二番 関根信明議員  1 ウクライナ人道支援に対する決意について 知事             2 観光政策について 知事              (1) 観光と消費が連動した支援について              (2) 観光政策における市町村等の連携強化について              (3) 観光立県イメージ戦略について             3 安心安全なまちづくりについて 知事              (1) 安心安全なまちづくりのPRについて              (2) 県庁舎再整備検討委員会の課題解決について              (3) 県庁舎建替えの方向性を示すタイミングについて             4 子ども医療費助成制度について 保健医療部長              (1) 子ども医療費助成制度の拡大について              (2) 子ども医療費助成制度における自己負担軽減について             5 JR川越線複線化について 企画財政部長              (1) 第五回協議会の結果について              (2) JR川越線複線化の将来への方向性について              (3) 荒川橋りょう架換えによる民有地の買収について              (4) 荒川橋りょう架換え決定後の広報について             6 難病で苦しむ患者への支援について 保健医療部長              (1) 難病患者への医療費助成について              (2) 国への働きかけについて              (3) 難病患者への支援の強化について             7 DXの推進について              (1) 行政事務におけるAIアバターの活用について 企画財政部長              (2) 教育におけるAIアバターの活用について 教育長             8 新成人への対応について              (1) 新成人への悪質商法対策について 警察本部長              (2) 教育委員会等と県警察との連携について 県民生活部長             9 新型コロナウイルス感染症対策について 保健医療部長 十五番 八子朋弘議員  1 知事任期残り一年を前に、公約の進捗状況は 知事              (1) 現時点における評価は              (2) 第三者評価機関の評価について              (3) 重点公約について             2 県立中学校設置に向けた取組について 教育長              (1) 具体的な取組について              (2) 中等教育学校と併設型中高一貫教育校について              (3) 特色あるプログラムについて             3 一時保護所をめぐる課題について 福祉部長              (1) 課題への対応について              (2) 第三者評価機関について              (3) 業務に精通した機関の評価を受けるべきではないか             4 公立中学校の運動部活動改革について 教育長              (1) 県の対応について              (2) 考えられる課題について              (3) 生徒の立場に立って改革を進めるべき              (4) 教員の増員について             5 民生委員のなり手確保について 福祉部長              (1) 若い世代のなり手確保について              (2) 活動実態把握調査のスケジュールについて              (3) なり手確保のための予算について             6 不登校支援からひきこもり支援について              (1) 継続的な支援について               ア 高校に進学したケースの支援は 教育長               イ 高校に進学しなかったケースの支援は 保健医療部長              (2) 児童生徒理解・支援シートについて 教育長              (3) 教育と福祉が連携した滋賀県の取組について 〃             7 子どもの運動機会の確保について 教育長              (1) 全国トップクラスの体力について              (2) 低調なボール投げについて              (3) ボール投げ能力向上のための具体的な取組について             8 地元問題について              (1) 上南畑産業団地について 公営企業管理者               ア 進捗状況と今後の見通しについて               イ 富士見市と進出企業との防災や環境分野における協定等について              (2) 国道二五四号バイパスについて 県土整備部長               ア 和光富士見バイパスの進捗状況と今後の見通しについて               イ 和光バイパスの進捗状況と今後の見通しについて              (3) 水谷調節池の整備について 県土整備部長              (4) 新河岸川の渋井水門増設による南畑排水機場の運用について 〃三十三番 木下博信議員  1 百五十年後の埼玉県について 知事              (1) 百五十年後の埼玉県              (2) 隣県とまたがる生活文化圏とそれを意識した施策の展開              (3) 施設の適正配置と県の整備投資のあり方              (4) 県庁の置き場所             2 性能発注の導入拡大 企画財政部長              (1) 性能発注で発生する課題と利点              (2) 今後の取組             3 県教育委員会の教職員配置の充実              (1) 県費負担教職員の配置について 教育長              (2) 教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)の充実強化 〃              (3) 教員業務支援員の待遇 〃              (4) 県独自の体制構築の意義と財源確保について 〃              (5) 県独自の体制構築への財源確保について知事の姿勢 知事             4 障害者の文化芸術鑑賞機会の充実について              (1) 現状の認識 福祉部長              (2) これまでの取組 県民生活部長              (3) これまでの成果 福祉部長              (4) 市町村への啓発 〃             5 引きこもり支援について              (1) 全庁的な体制づくり 保健医療部長              (2) 複合的相談体制の可能性 知事             6 自転車と横断歩道の啓発              (1) 横断歩道における自転車事故の現状 警察本部長              (2) 市町村と連携しての周知啓発 県民生活部長             7 都市計画道路草加三郷線について 県土整備部長              (1) 柳島工区の進捗状況と見通し              (2) 瀬崎町工区の進捗状況と見通し          ----------------午前十時開議 出席議員    八十五名     二番    三番    六番    七番     八番    九番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    二名    六十番  八十五番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △開議の宣告 ○中屋敷慎一議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ---------------- △知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○中屋敷慎一議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 三十二番 関根信明議員       〔三十二番 関根信明議員登壇〕(拍手起こる) ◆三十二番(関根信明議員) 皆様、おはようございます。議席三十二番、自民党県議団、さいたま市北区選出の関根信明でございます。 中屋敷議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。 本年二月に始まったロシアによるウクライナ軍事侵攻により、犠牲となられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、一日も早い戦争終結を祈ります。 初めに、一、ウクライナ人道支援に対する決意についてお伺いいたします。 本年二月二十四日にウクライナに対するロシアの軍事侵攻が始まり、いまだに終結に向けた活路が見いだせない中、世界中でエネルギーや穀物など物資不足による物価高騰が発生し、大変危惧しております。 ウクライナから日本に避難した人の数は一千四百人を超え、国、地方自治体、民間も含め、できる限りの人道支援をしていかなければならないと考えます。現在、埼玉県内で三十七名の避難民の方々を受け入れておりますが、県として避難民支援の相談窓口、通訳ボランティアの募集、住宅支援、生活物資・食料支援等の支援体制をとっていることを確認させていただきました。 私は、非常時ゆえ思い切った支援や支給ができる施策、県独自の人道支援基金の創設、県内市町村と一体となった支援などを進めていただきたいと考えますが、ウクライナ人道支援に対する大野知事の決意についてお伺いいたします。 ○中屋敷慎一議長 三十二番 関根信明議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 関根信明議員の御質問にお答え申し上げます。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、他国の主権と領土を侵害する国際法違反の行為、かつ深刻な人権侵害行為であります。人道への挑戦に対しては厳しい態度で臨むとともに、本県に避難をされたウクライナの避難民の方々に対する支援については、国及び市町村と協調をして、全体として適切に行うことが必要と考えております。 議員お話しのとおり、県では、外国人総合相談センター埼玉での相談対応や通訳ボランティアの活用、県営住宅の無償提供に加え、企業や関係団体と連携をし、生活物資等を支援する体制を整備しております。また、資金面では国が生活支援金を支給していることに加え、県では、令和四年五月に県社会福祉協議会を通じて緊急生活支援金の給付を行ったところであります。 一方で、先日、避難民を支援するボランティアにヒアリングを行ったところ、避難民の方が支援情報を見つけるのが難しいと感じていることが分かりました。そこで、県では、国、県、市町村の支援情報を集約し、ウクライナ語で県及び県国際交流協会のホームページにこれを掲載するとともに、SNSで周知をしております。また、市町村からも避難民の方に県ホームページや相談窓口を案内していただくことといたしました。 引き続き、避難民の方が必要とされる支援を把握するよう努めながら、国、県内市町村、関係団体、企業等と連携をして必要な支援が行き届くよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆三十二番(関根信明議員) それでは、再質問をさせていただきます。 大野知事の決意や県が避難民の課題を踏まえた支援を行っていることは理解いたしましたが、県内市町村と一体となって支援を行い、避難民が生活に不安を感じないよう配慮すべきと考えますが、大野知事に再度お伺いいたします。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 祖国を離れ、日本に来られたウクライナ避難民の方が安心して県内に滞在することができるよう、市町村などと一体となって支援に取り組むことは重要であると考えております。 県は、先ほど申し上げましたとおり、市町村と緊密に連携をしながら、市町村における住まいや生活物資、さらには、生活資金等の支援の最新情報を常に把握をしております。また、先ほど申し上げた県営住宅のほかにも、市町村が提供する住宅と連携をして、これを提供する等のサービスに努めております。これらの支援につきましては、県の相談窓口を通じてワンストップで情報提供し、避難民の方がそれぞれの事情に応じて必要かつ適切な支援を受けられるように案内をしております。 引き続き、市町村をはじめ国や企業、そして関係団体等と連携をし、避難民の方が不安なく生活できるよう、議員御指摘のとおり、寄り添った支援を連携して取り組んでまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 御答弁ありがとうございました。 次に移ります。 二、観光政策について。 (一)観光と消費が連動した支援についてお伺いいたします。 埼玉県5か年計画の中で、令和二年度の観光客一人当たりの観光消費額は、県外からの宿泊客一万五千九百五十五円、日帰り客五千六百九十五円となっており、令和八年度には県外宿泊客二万九千三百円、令和二年度比一・八三倍、日帰り客八千七百円、令和二年度比一・五二倍を目指すとあります。また、観光入込客数も令和二年度の七千三百四十九万人から令和八年度には一億六千万人、令和二年度比で二・一七倍とあります。大変大きな数字となっており、期待していると同時に、本当に達成できるのか首をかしげます。 私は、埼玉県の観光と、それに伴う消費が連動し、好循環していくことを願っております。例えば、観光宿泊数(連泊含む)を増やすための戦略や、観光名所と宿泊施設、食事処、お土産店等が連動した全てが一目で分かるホームページ、SNSの作成など、観光客のニーズに沿ったものを作り、県内の観光に携わる方々、事業所、団体をバックアップし、県内の観光と消費が連動した支援を行っていくべきと考えますが、大野知事の御所見をお伺いいたします。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 本県は、人口四千万人を超える首都圏の中心に位置し、短時間で遊びに行けるという強みを持ち、多彩な観光資源も有しております。こうした本県の優位性を生かし、御来県いただいた観光客の消費を一層引き出していくためには、更なる工夫の余地があると私も思います。 私は、地元をよく知る市町村や観光協会、ビジネス感覚にたけた民間事業者などのアイデアやノウハウを結集し、関係者の力で観光を盛り上げていくことが不可欠と考えます。そのためには、県が観光に関連する事業者等を結び付け、関係者が主体的に活動し、自走できる仕組みを作っていくことが必要と考えています。 そこで現在、県では地元市町村や観光協会、交通、宿泊などの観光事業者などからなる観光プロモーション戦略会議を設置し、コンテンツづくりや地域資源の磨き上げ、観光客のニーズに応じた観光情報の提供などについて検討を行っております。民間事業者を含め、多くの方々のアイデアを生かしていくことが観光と消費を連動させ、ひいては埼玉県の観光振興を一層行う等の好循環につながっていくものと考えております。 ◆三十二番(関根信明議員) 御答弁ありがとうございました。 再質問いたします。 観光と消費が連動した支援について、県として取り組める具体的な支援策を検討してくださるのか、大野知事に再度お伺いいたします。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 観光客のニーズに沿った情報発信として、具体的には県公式観光サイトちょこたび埼玉」の充実を、例えば、図ってまいります。 現在、「ちょこたび埼玉」では、イベント情報を選ぶと、周辺のおすすめ観光スポットが表示されるようになっていますが、宿泊施設や飲食店、お土産店の情報は、それほど多くはないというふうに認めざるを得ません。こうした情報を拡充をする、これがまず第一です。それと同時に、飲食店やお土産店の情報を一覧できるようにすることによって、観光客の皆様に対して適切で必要な情報を提供したいと思います。 例えば、紅葉などのライトアップを見た後、古民家レストランでジビエ料理やワインを楽しんだり、地元ならではの物産を購入いただくなど、より多くの消費に結び付けることが可能です。また、海なしの埼玉県に来ても、例えば、おいしいお寿司があるなど、意外な情報についても御提供ができるのかもしれません。 また、「ちょこたび埼玉」経由で宿泊施設や飲食店の予約を可能にすることで、観光地を巡った後に星空観察をし、地元の温泉でゆっくりと宿泊をいただく県内での観光プランの提供なども考えられます。地元をよく知る方々がお持ちの「食べる」「泊まる」「遊ぶ」といった情報を発信し、観光が消費につながる取組を推進してまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 懇切丁寧な答弁、ありがとうございました。 それでは、次に移ります。 (二)観光政策における市町村等の連携強化についてお伺いします。 本県においては、観光振興協議会として県内全市町村の行政又は観光協会が加盟した埼玉みどころ旬感協議会を設立し、また、本年に入り埼玉県観光プロモーション戦略会議が設立され、大変期待しているところでございます。私は、これらの協議会、戦略会議を活用及び深化させ、県内市町村等同士の連携を進めていくべきと考えます。 例えば、観光目的別シリーズをつくり、各市町村の観光地を機能的に結び付けていく提案をさせていただきます。具体例として、偉人シリーズ、桜の名所シリーズ、お花畑シリーズ、ユネスコ世界遺産シリーズ、神社・仏閣シリーズ、川・山シリーズ、アニメシリーズ、祭シリーズなど、観光名所や地域資源等を連携させ、シリーズ化を図るなどして関係市町村等同士の連携を強化すべきと考えますが、大野知事の御所見をお伺いいたします。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 本県の観光振興のためには、各市町村にある観光コンテンツを組み合わせて魅力を一層高め、広域的な周遊につなげていくことが有効と考えます。 今年三月に設立した埼玉県観光プロモーション戦略会議では、交通・宿泊事業者などの観光事業者や市町村が連携し、観光資源の発掘や磨き上げ、周遊ルートづくりなどに向けた取組を開始をいたしました。この会議では、県内各地に点在するお酒や花、歴史などの共通コンテンツをテーマごとにまとめて情報発信し、県内の周遊につなげる取組を進めていく予定で、現在、県と物産観光協会、関係する市町村、事業者の皆さんが膝を突き合わせて事業化に向けた意見交換を行っております。 昨年度におきましては、渋沢栄一翁お一人ではなく、歴史的な偉人を三人組み合わせることによって、「埼玉の三偉人」という企画を提案をさせていただきましたが、今後は、観光プロモーション戦略会議の取組を通じ、市町村との連携を更に強化をし、それぞれの観光地が連動して誘客力を高める取組を一層進めなければならないと考えております。 ◆三十二番(関根信明議員) ありがとうございます。是非、市町村との連携を強化していただきたいというふうに考えております。 次に、(三)観光立県イメージ戦略についてお伺いいたします。 私は、埼玉県を全国有数の観光立県になっていただきたいと考えております。国内外で観光に力を入れている県として、観光振興施策を積極的に推進し、埼玉県5か年計画の目標を達成させていければ、観光立県埼玉県を目指していけると確信をしております。 そのためにも、私は国内外に対する観光立県としてのイメージ戦略が必要ではないかと考えております。埼玉県には観光名所や観光資源がたくさんあります。これらの観光資源、観光名所を中心に、更に新たな観光資源を創り出し、全国有数の観光立県としてのイメージ戦略をつくっていくべきと考えますが、大野知事の御所見をお伺いいたします。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 埼玉県の強みは、首都圏から近く、鉄道や道路など交通網が充実している、そのアクセスの良さにあると考えています。 また、埼玉県には正に彩の国、彩りの国という「彩の国さいたま」と言われるように、多彩な観光資源が数多くございます。川越の時の鐘や長瀞の岩畳、盆栽美術館や鉄道博物館をはじめ、季節ごとの花やフルーツ狩りを楽しめる観光農園、ところざわサクラタウンや深谷テラスパーク、若者に人気のアニメの聖地など、観光資源は多様で、かつ枚挙にいとまがありません。県内各地で楽しめるお酒や多彩なうどんのほか、東松山のやきとりなど、訪れた地域で楽しめる食の宝庫でもあります。 一つ一つのコンテンツは、決して大きいものではありません。しかしながら、これらを組み合わせたパッケージを数多く御提案し、コンテンツの多彩さ、四季を通じた楽しみなどを感じていただくことが埼玉県の観光の魅力を高めていく一つの方策であり、また、埼玉県にとっても強みであると考えております。そして、多彩な魅力の存在と気軽に行ける埼玉、この多彩さと気軽さというイメージが全国に広がっていくよう、更に観光資源を創り上げるとともに、埼玉県にお越しいただく機会を増やしたいと考えています。 具体的な取組につきましては、県だけではなく、地元の魅力をよく知る観光事業者や市町村、観光協会など様々な方の知恵とアイデアを集め、観光プロモーション戦略会議において埼玉の観光イメージ戦略について検討をしたいと思います。 ◆三十二番(関根信明議員) 御答弁ありがとうございました。是非、観光立県としてのイメージ戦略を、今、知事が申し上げました埼玉観光プロモーション戦略会議の方でしっかりと練って、打ち出していただきたいと思っております。 次の質問に移ります。 三、安心安全なまちづくりについて。 (一)安心安全なまちづくりのPRについてお伺いいたします。 本県では、災害・危機に強い埼玉県の構築を目指し、各所管で鋭意取り組んでいることは心強いと思っております。私は、県土強靱化を積極的に推進し、どこよりも安全で安心できる埼玉県を目指すべきと考えます。 令和元年度版埼玉県企業立地ガイドによると、「安心・安全な企業活動の確保」のところで、自然災害の少ない県、平成十八年から三十一年二月までに人的被害を伴う地震は全国で八十三件発生しましたが、本県を震源とするものは一件だけ、平成二十年から二十九年の土砂災害発生件数は二十三件で全国最少、また、快晴日数は全国トップクラスであり、さいたま新都心には東京都心のバックアップ機能を備えた国の機関が多く立地と記載があります。 さらには、DXビジョンの中に、デジタル技術で災害に強い埼玉県をつくると記載があります。また、質問二日目の高橋議員に対する企画財政部長の答弁で、災害が少ないことが本県のアピールポイントとありました。 私は、国内外に向けて安心安全な埼玉県という都市イメージを出していくべきと考えます。この広報戦略、プロモーションが弱いのではないか、災害に強い埼玉県の魅力を全国に向けて発信することにより、進出企業も増え、人口増加も図られるのではないでしょうか。 耳になじむキャッチフレーズや様々な広告媒体の効果的な活用など、今話したように安心安全なまち埼玉県を対外的にアピール、PRしていく戦略・手法を検討すべきと考えますが、大野知事の御所見をお伺いいたします。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 安心安全なまちであることは、県民の皆様にとっても大切なことでありますが、立地先を検討している企業や移住を考えておられる方々にとっても大変重要と思います。 本県は、議員お話しのとおり、人的被害を伴う地震や土砂災害の発生件数が少なく、また、災害による人的被害については全国でも最も少ない県でございます。また、南海トラフ地震の被害想定でも相対的に被害が少ないと見込まれることなどから、他の都道府県と比べ安心安全の観点において優位な立場にあると考えます。 県では、これまでも、広報紙や県政テレビ番組で県の災害対策の取組を特集するなど、安心安全に関する情報発信を行い、そして、この安心安全に関する取組の両方についてPRをしてまいりました。さらに、「立地するなら埼玉へ」「住むなら埼玉!」のキャッチフレーズの下、企業や移住希望者をターゲットに本県の優位性をPRしてまいりました。特に、移住支援においては、人気ユーチューバーに埼玉へのお試し移住をしていただき、その模様を動画で配信したところ、五十七万回を超える視聴回数を記録するなど、安心安全な住環境のPRにつながっています。 本県の魅力は、交通や生活の利便性が高いこと、自然が豊かで都市と地方の魅力を併せ持っていることなど様々ありますが、安心安全は大きな魅力の一つと考えます。今後はより広く、その魅力を周知すべく、例えば、埼玉応援団のメンバーなど強い発信力を持つ方々にSNSを通じてPRしていただくとともに、立地企業の誘致の際に強調するなど、県外への情報発信を強化してまいります。
    ◆三十二番(関根信明議員) 御答弁ありがとうございました。 是非、対外的に安全で安心なまち埼玉県というものを、更にアピールをお願いしたいと思います。 次に、(二)県庁舎再整備検討委員会の課題解決についてお伺いします。 安心安全な災害に強い埼玉県のシンボルとして、県本庁舎及び独立した県警察本部を早急に建て替えるべきと私は常々考えております。 昨年、六月定例会の私の質問の中で、知事より、この件に関する検討委員会をつくる旨の答弁をいただきました。令和三年七月には県庁舎再整備検討委員会が設置され、令和三年度の報告を令和四年三月に総務県民生活委員会で受けました。報告によれば、これらの公共施設等について意見交換や有識者の講演と意見交換を実施したとの内容で、一定の県庁舎の進むべき内容が盛り込まれたと思います。 私は、令和四年度、速やかに、県庁舎建替えに関し、課題(県本庁舎の機能、職場環境、県有施設の集約化、PFI等の民間活力の検討、本庁舎の位置、IT・DXへの対応、建替えスケジュール等)の解決を図り、次のステージに移行していただきたいと願っております。令和四年度、同検討委員会は県庁舎再整備に関する諸課題をどのように解決していくのか、大野知事の御所見をお伺いいたします。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 議員にも御質問をいただいた県庁舎再整備検討委員会は、デジタルトランスフォーメーションなどによる社会変革を考慮した県庁舎再整備に関して重要な要素を検討するため、令和三年度に設置をいたしました。令和三年度は、県議会にも御参加をいただき、二回の委員会を開催し、将来を見据えた県庁舎のあるべき姿などについて議論を行ったところでございます。 委員会では、公共サービスの在り方や職員の働き方を根底から変化させる可能性があるデジタルトランスフォーメーションについて、県として積極的に取り組むことの重要性が指摘されております。また、地球との共生や循環型経済への移行に向けた環境共生型庁舎の検討や、交流・にぎわいの創出など、まちづくりの視点からの県庁舎のあるべき姿も重要との御指摘もいただきました。 このため、令和四年度の委員会におきましては、急速に進展しているDXや環境分野の視点、多様化するまちづくりの視点から、時代の先を見据えた県庁舎の目指す姿を議論していただきたいと考えています。具体的には、特に専門性の高い有識者を交えたディスカッションを通じて、時代の先を見据えた県庁舎のイメージの共有を図り、議論が深まるよう進めたいと思います。 県庁舎再整備の検討に当たり、検討すべき事項は多岐にわたります。令和四年度内に委員会を複数行い、重要な要素の検討を着実に積み重ねてまいりたいと考えます。 ◆三十二番(関根信明議員) 御答弁ありがとうございました。 それでは、再質問をさせていただきます。 県庁舎再整備に関する諸課題、今、知事からもあって、令和四年度の課題の整理をしていただきましたが、諸課題を同検討委員会で集約を図っていくという考え方でいいのか。いろいろな課題があると思いますが、その課題に対して検討委員会で集約をしていくという認識でいいのか。その辺を確認させてください。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 県庁舎再整備につきましては、今後数十年間、新しい庁舎を建てた場合には使用するであろうことなども鑑みれば、大きく変化する社会情勢や経済、更には働き方等を全て加味していく必要があると考えております。 したがって、検討に当たりましては、議員お話しの、例えば、県庁舎の機能あるいは位置、PFI等の民間活力の検討など様々な課題がございます。こうした課題のうち、重要な要素を取り上げ、議論していただくことが委員会の位置付けとなっております。 このため、先ほど申し上げたとおり、令和四年度内には委員会を複数行い、これまでの議論を更に深掘りすることによって、時代の先を見据えた県庁舎に求められる要素が明らかになる、これを目指し、着実に議論を進めていただきたいと思っております。 ◆三十二番(関根信明議員) 再々質問させていただきます。 同検討委員会の集約の時期はいつぐらいまで、この検討委員会を進めるのか、その辺について知事にお答えいただきたいというふうに思っております。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再々質問にお答え申し上げます。 県庁舎の再整備に当たりましては、私どもといたしましては、現在、大きく変わりゆく社会の中で検討していくべき事項は、これまで他の市町村や都道府県等の自治体で行われたように、単に建物の在り方やPFIなどの民活の在り方などにとどまらず、県庁の在り方そのものから考えていかなければならないというふうに考えておりますところ、現時点では委員会に対して、その重要な要素をどのように考えるかということを諮問させていただいている段階でございますので、したがって、議論の集約をもちろんしていくことは当然望ましいわけではございますけれども、この年度内においては、まずは議論の深まりをしっかりと見た上で、集約の方向にいけるかどうかということを判断させていただきたいというふうに考えております。 ◆三十二番(関根信明議員) 県庁舎再整備の課題解決を早急に図っていただきますよう申し添えたいと思います。 次に、(三)県庁舎建替えの方向性を示すタイミングについてお伺いします。 この質問は、質問初日に日下部議員からもありましたが、県本庁舎は築七十一年目を迎えております。建替えに残された時間の余裕はありません。 私は、県本庁舎及び周辺の県庁舎の集約化とDX化を含めた時代に合った県庁舎の分散化、相反するようですが、集約化と分散化も検討していかなければならないと考えているところです。 また、この四月には、さいたま市の新市庁舎の位置が特別議決され、二十年来の合併の最大の課題が解決を見たところでございます。九年後には、新都心に新市庁舎が移転する運びとなりました。 そこで、時間的余裕がない県本庁舎及び周辺の県庁舎の建替えの方向性を示すタイミングについて、大野知事に御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 議員御指摘のように、集約と分散などをはじめとし、多様なニーズが今後検討されます。デジタルトランスフォーメーションによる社会変革もその一つであり、県民、事業者、行政、それぞれの活動を根底から変化させることから、県庁舎再整備の検討に当たっても変革後の将来を数十年にわたり見据え、慎重に行う必要がございます。 DXの取組が進展すると、県民や事業者は県庁舎に訪れて行っていた行政手続を、県庁舎に来ることなく、オンラインでいつでも、どこでも行うことができるようになることが予想されます。また、職員の働き方についても、それぞれの職員の事情などに合わせ、働く場所を県庁舎に限らず、自ら選択できるようになるなど、ワークスタイルがますます多様化していることも考えられます。県として取り組んでいるDXを更に積極的に進めることで、将来必要となる県庁舎の規模や機能などがおのずと見えてくるものと考えます。 現庁舎の築年数や、県庁舎を再整備する、その必要性に鑑みる場合と、さらには、その後数十年間使用するという両方のことを考えれば、私どもは御指摘のとおり待ったなしのタイミングであることは事実ながら、しかしながら、数十年後に耐え切れないような県庁舎であってはならないと考えておりますので、県庁舎再整備検討委員会での議論が深まった段階で、方向性を示すタイミングを判断させていただきたいと考えています。 ◆三十二番(関根信明議員) 知事から答弁ございましたとおり、いずれにしても検討委員会である程度集約になった段階で、私は日下部先生もそうでしたけれども、あと本庁舎八十年、耐用年数という中で、もう九年でございますので、その辺はやはり首長としてしっかりと方向性を示していただきたいと思います。 次に移ります。 四、子ども医療費助成制度について。 (一)子ども医療費助成制度の拡大についてお伺いいたします。 この件に関しては、多くの議員が質問をされており、それだけ要望が強い事業であると思います。本年二月定例会で議決された国へ「乳幼児等に対する公費負担医療制度の創設等を求める意見書」が提出され、五月十八日には関東知事会で国への要望事項として子ども医療費助成制度の創設を提出しております。 県内市町村では、子ども医療費助成の拡大を図っており、頑張っております。令和四年四月一日現在、通院については十五歳までが三十六市町村、十八歳までが二十七市町村、入院については十五歳まで三十市町村、十八歳まで三十三市町村となっており、就学前までのみを対象とする県の医療費助成制度は追い付いておりません。それだけ市町村の負担が増大している現状を見ても、県として就学前だけでなく、対象年齢を拡大していくべきと考えます。 昨年十二月の山口京子前県議の質疑に対する答弁の中で、本県では、特に負担の多い就学前までの家庭を支援する現状政策を維持し、県内全域における窓口無償化を進める。仮に、対象年齢が中学三年まで拡大すると約五十三億円、小学校卒業までで約四十七億円、小学校三年生までで三十八億円かかるとありました。さいたま市では、十五歳までの通院・入院の医療費無償化で約五十五億円を拠出しております。 さいたま市と県で単純に比較しても、本県は余りにも子ども医療費助成が少な過ぎませんか。少なくとも、国の助成が決まるまでの間、第一弾として小学校卒業まで県は助成制度を拡大し、各市町村の負担を抑え、各市町村がほかに使える子育て支援予算を増やしてあげるべきと考えますが、保健医療部長の御所見をお伺いいたします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 関根信明議員の御質問にお答え申し上げます。 県の乳幼児医療費助成制度は、医療費が多くかかる小学校就学前の子育て家庭をしっかりと支援していくことを重視しております。支給対象を小学校卒業まで拡大した場合には、多額の予算措置が必要になることが見込まれます。このため、限られた予算の中、医療費の負担が大きい小学校就学前の子育て家庭を支援する現在の助成制度を維持してまいりたいというふうに考えております。 子どもへの医療費助成は、子育て支援のナショナルミニマムとして国により統一的に実施されるべきと考えております。引き続き、各都道府県とも連携して粘り強く国に対して要望し、その実現を目指してまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 部長、毎回同じ答弁ですか。 再質問いたします。 千葉県では小学校三年生まで、東京都では中学三年生まで、栃木県では六年生まで、群馬県では中学三年まで医療費助成を行っている都県があるわけですが、埼玉県ができない理由を保健医療部長に再度、御説明をお願いします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 再質問にお答え申し上げます。 本年十月から県内全域で医療機関窓口での支払いがなくなる現物給付の実施を予定をしておりますが、支給対象年齢を引き上げた場合、医療費助成額だけでなく、審査支払機関への手数料など、現物給付化に要する経費も更に増加することとなります。 特に、負担が大きい就学前の子育て家庭を支援する現在の政策を維持していきたいというふうに考えておりまして、限られた予算の中で現時点での対象年齢の引上げは難しく、まずは、現物給付化を着実に実施することで、医療費助成制度の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆三十二番(関根信明議員) 再々質問です。 先ほど話しましたとおり、さいたま市でも中学生三年まで医療費入院・通院無料化で五十五億円出しているんですよ、五十五億円。仮に、部長の答弁だと、中学三年まで拡大しても五十三億円ですよ、かかるのが五十三億円。埼玉県の予算二兆円以上持ってて、それで出せないということはないでしょう、これ。決断ですよ、決断、どうですか。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 再々質問にお答え申し上げます。 同じような御答弁になり大変恐縮なんですが、限られた予算の中で現時点で対象年齢の引上げは、財源を考えますと大変困難でございます。まずは、これまで御要望いただいておりました現物給付化を着実に、この十月から実施をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆三十二番(関根信明議員) 来年度に向かって、ひとつ頑張っていただきたいと思います。 次に、(二)子ども医療費助成制度における自己負担軽減についてお伺いします。 県の子ども医療費助成制度は、現在、就学前を対象としておりますが、自己負担制度を設けております。自己負担は、子ども一人につき入院について一日当たり一千二百円、通院、月一千円で、この負担については市町村が結果的に負っているようです。 他県の状況を見てみますと、千葉県がゼロ歳から小学三年まで通院一回三百円、ゼロ歳から中学三年まで入院一回三百円。東京都、就学前通院自己負担なし、小学一年から中学三年まで通院一回二百円、ゼロ歳から中学三年まで入院は自己負担なし。群馬県では通院・入院ともにゼロ歳から中学三年まで自己負担なしとなっております。ちなみに、群馬県では「全国トップレベルの医療費無償化制度です」をキャッチフレーズに、令和四年度約七十四億四千万円、うち子ども医療費補助約三十七億八千万円を予算化し、医療費の無償化を図るなど、近隣都県はかなり市町村負担を軽減しております。 そこで、県として子ども医療費助成制度における自己負担の減額により市町村の負担軽減を図っていくべきと考えますが、保健医療部長の御所見をお伺いいたします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 御質問にお答え申し上げます。 医療費助成を行っている四十六都道府県のうち、三十六都道府県、約八割が自己負担を求める補助制度としておりまして、本県も公費により医療費助成を行う場合は、一定の所得がある世帯には自己負担を求めることが適当であるというふうに考えております。自己負担金を廃止した場合は、十億円以上の予算措置が毎年必要となるため、直ちに自己負担金の見直しを行うことは難しく、まずは現物給付化の導入による影響をしっかりと把握してまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 再質問をいたします。 何かずっと同じ答弁なんですけれども、やはり何か埼玉県の保健医療部として、もう少し県民に寄り添った施策を打ち出す。そのためには、今言ったとおり、市町村が負担している部分、十億円という今話ありましたよね。それだけでもやっぱり、まずはここでみるということが大切だというふうに考えておりますが、再質問に御答弁いただきたいと思います。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 再質問にお答え申し上げます。 公費により医療費助成を行う場合は、一定の所得がある世帯には自己負担を求めることが適当であるという考えは、先ほど申し上げましたとおりでございますが、また、自己負担金を廃止した場合には多額の予算措置が毎年必要となります。子どもへの医療費助成は、自治体ごとに行うのではなく、子育て支援のナショナルミニマムとして国により全国一律の制度として実施されるべきものであるというふうに考えております。 引き続き、全国一律の子どもの医療費助成制度の創設を国に強く要望してまいりたいというふうに考えております。 ◆三十二番(関根信明議員) 群馬県では中学生まで入院・通院の医療費無料化を図って……、次にいくんですが、次にいく前に、やっぱり------、ちゃんとその辺はやっているんですから、しっかり埼玉県でもやっていただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。 五、JR川越線複線化について。 (一)第五回協議会の結果についてお伺いいたします。 JR川越線荒川橋りょうの複線化仕様での架換えに関する協議会は、令和四年一月二十八日に第五回目が開催され、八高線・川越線議連でも報告を受けました。 協議会では、調節池事業における荒川橋りょうの架換えは単線で行い、将来の複線化時に現在線位置を活用して新たな橋りょうを架ける案が最も総合評価が高いという結果を関係者で共有したとのことです。これは、今回の架換えでは複線化仕様とはしないという方針が決まったことを意味しているのか、それとも令和四年度の追加調査の上、決定していくのか、企画財政部長にお伺いいたします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 関根信明議員の御質問にお答え申し上げます。 橋りょうの架換事業の内容を最終的に決定するのは、あくまで事業主体である国土交通省でございますので、協議会での結果の共有をもって方針が決定したということはありません。同様に、御質問にありました令和四年度の追加調査の上、決定することを担保するものでもございません。 協議会には国も参加しておりますが、この協議会が国の事業の方針を決定するとか、決定しないとかという立場にはないことは御理解を賜りたいと存じます。 ◆三十二番(関根信明議員) ありがとうございます。再質問させていただきます。 そうすると、協議会をつくりまして、それで複線仕様での架換えの協議ということでございます。それで、一定の方向は出たけれども、令和四年度、更に調査するというふうになっておりますが、いずれにしても一定の方向性は協議会としては決めるというふうなことでよろしいですか。どこかでやっぱりある程度、こういうふうな方向が最有力だよというのを決めない限りは、国土交通省もなかなかゴーサインが出ないんじゃないかなと私は考えておりますが、どうでしょうか。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 再質問にお答え申し上げます。 協議会は、やはり周辺の情報を整理するとか、あるいは、関係機関との意見の調整をするとかという機能はありますけれども、決定付けて方向性を決めていくというふうなところまでは想定してございません。この事業は、あくまで国の方の事業でございますので、国の方が我々の意見を聞いて、どういう判断をするかというのは別次元のことであるというふうに理解をしております。 ◆三十二番(関根信明議員) よく分かりませんが、次にいきます。 次に、(二)JR川越線複線化の将来への方向性についてお伺いします。 今回の荒川橋りょうの架換えは、荒川第二・第三調節池整備事業に伴い、土手のかさ上げと新橋りょうの整備事業として計画され、令和十二年度完成で進めている事業であり、令和四年度には荒川橋りょうの概略設計が完了する運びとなっております。複線化仕様の結論を出すための時間的な問題、調節池整備の工期の問題、さらには、建設費用の問題等を考え合わせると、複線化仕様での橋りょう設置は難しい可能性があります。そうであるならば、JR川越線複線化の将来への方向性について、しっかりと確認する必要があると考えております。 具体的には、今年度の追加調査の活用方法、そして、仮に今回、単線構造での架換えとなった場合でも、将来的な複線化への道は閉ざされず、同協議会での議論や調査は将来に生かされるということについて確認が必要でございます。JR川越線複線化の将来への方向性について、企画財政部長に御所見を伺います。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 川越線の複線化に関しては、JR川越線荒川橋りょうの複線化仕様での架換えに関する協議会において、JR東日本から「将来利用人口が増えた際に、複線化の検討の可能性はある」という見解を確認したところでございます。そうした見解を踏まえますと、荒川橋りょうが一旦、単線で架け換えられたとしても、将来の複線の可能性について道が閉ざされたことにはならないと認識しております。 また、将来への方向性を明確にするため、令和四年度は昨年度の調査で明らかにできなかった点について、それを補う意味で、費用積算や橋りょうの活用可能性の追加調査を実施することといたしました。結果については、協議会の構成員に情報共有することを想定しております。 県といたしましては、今後も引き続き、協議会での議論や調査結果を生かしながら、さいたま市や川越市と連携して、将来の複線化実現に向けて粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。 ◆三十二番(関根信明議員) 再質問いたします。 新たな荒川橋りょうの方向が決定した段階で同協議会の役目は終了とするのか、新橋りょう建設や将来を見据えて、協議会の形を変えても残していくのか、企画財政部長に再度お伺いいたします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 再質問にお答え申し上げます。 協議会については、第五回協議会において、昨年度調査により架換えに関する方向性が共有されたということから、一区切りをするとされております。一方で、協議会の構成員は今後も情報共有や必要な情報提供などの協力を引き続き実施していくこととされたところであり、今後の具体的な進め方については他の構成員とともに検討してまいりたいと考えております。          ---------------- △休憩の宣告 ○中屋敷慎一議長 暫時、休憩いたします。なお、再開は十一時六分といたします。午前十時五十五分休憩          ----------------午前十一時六分再開 出席議員    八十五名     二番    三番    六番    七番     八番    九番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    二名    六十番  八十五番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○中屋敷慎一議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○中屋敷慎一議長 質疑質問を続行いたします。 ◆三十二番(関根信明議員) 質問する前に、先ほど私の発言中、「------」という部分につきましては、「群馬県は」に訂正をお願いしたいと、議長の方でお取り計らいをお願いしたいと思います。 それでは次に、(三)荒川橋りょう架換えによる民有地の買収についてお伺いします。 現在線より最大四十メートル上流側へ移す新たな荒川橋りょう架換えに伴い、荒川堤防外の民有地にかかる線路部分の土地買収が発生すると認識しておりますが、堤防外の東西の線路部分の買収だけでなく、残地になってしまう民有地の土地の取扱いについてどのように進めていくのか、企画財政部長の御所見をお伺いいたします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 現在、国が示しているルートは、おおむねの位置を示したものであり、詳細は確定していないことから、残地となる民有地についても確定できる段階にはないと承知しております。そのため、現在は残地となる民有地の扱いを検討する段階には至っていないものと認識しております。県では、それらに関する情報は現時点では持ち合わせてはございません。 なお、一般的には、公共用地の取得に伴う損失補償基準がございまして、その基準に基づき利用価値の著しく減少した土地については、国が適切に対応していただけるものと認識しております。 ◆三十二番(関根信明議員) 是非、よろしくお願いいたします。 次に、(四)荒川橋りょう架換え決定後の広報についてお伺いします。 多くの署名をいただいた方々や関係する地元の方々、関係団体等に対し、橋りょう架換えの方向が決定次第、広報活動をしっかりと行っていただきたいと思います。国土交通省及びJR東日本、埼玉県、川越市、さいたま市が行うと思いますが、どのように広報活動を行うのか、企画財政部長にお伺いいたします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 橋りょうの架換えに関する広報につきましては、事業主体である国土交通省や鉄道事業者であるJR東日本が中心となり、関係機関で必要な広報を実施していくものと認識しております。県といたしましても、関係機関と調整の上、県のホームページなどを活用して周知に協力してまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 日下部議員からもございましたとおり、署名で約十万筆集めているわけでございますので、その辺の情報開示はしっかりとお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。 六、難病で苦しむ患者への支援について。 (一)難病患者への医療費助成についてお伺いします。 埼玉新聞に「未知の難病、闘う親子」の記事が出ておりました。お子さんがり患したROHHAD(ローハッド)症候群は、急性発症肥満や低換気、視床下部障害、自律神経機能不全等により早期に呼吸管理をしないと死に至る場合がある難病ですが、助成が出ないため医療費が増大し、治療が受けられない可能性があるという内容でした。 本県では現在、難病に基づく医療費助成受給者数は令和三年度四万三千百十五人、指定疾患新規認定者数、令和二年度五千四百六十九人、難病法対象疾患数、令和三年度、指定難病三百三十八疾患、特定疾患(国の認定)で四疾患、特定疾患(県の認定)で四疾患という状況でございます。また、埼玉県では二か所の難病支援センターを設置し、医療・生活・就労相談等を行っております。 知事は、自身の公約において、誰一人取り残さない、持続可能な発展・成長する埼玉県づくりを目指すとあり、そのことの実践事例がこの質問であります。難病認定に基づく医療費助成は、支給認定申請に基づき県が審査をし、認定をして初めて受給対象者になります。しかし、病状は刻々と進行すると想定した場合、医師の診断により難病であることが明らかになり、申請手続が行われる段階では、症状が相当重症化しているケースがあるのではないか。助成対象期間を本人の申請後からに限るのでは、いささか不合理と考えます。 そこで、助成開始の期間を本人による申請時点から、医師の診断記録などにより、相当程度の重症化が認められた時点まで遡って医療費助成の対象とすることはできないか、保健医療部長にお伺いいたします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 御質問にお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、病状が進行しているにもかかわらず指定難病としての診断が確定せず、助成が受けられない期間が生じる場合があります。 指定難病の医療費助成は全国一律の制度であり、助成開始の時期が申請時点からという現行制度の変更には、国による見直しが必要です。国の有識者委員会が「前倒し期間に上限を設けつつも、助成開始の時期を申請時点から重症化時点に前倒しすることが適当」と提言をしておりまして、現在、国で検討を進めているというふうに伺っております。 県といたしましては、国の検討状況を注視しつつ、見直しが行われた際には直ちに対応できるよう準備を進めてまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 次に、(二)国への働きかけについてお伺いします。 国の専門委員会の意見書において、難病対策は難病法の基本理念にのっとり、難病の克服を目指し、地域社会で尊厳を持ってほかの人々と共生することを妨げられないことを旨に、総合的な施策を講じるとあります。円滑な医療費助成が受けられる仕組みの導入、データベースでの充実と利活用、地域における支援体制の強化、登録者証(仮称)の発行など、多くの課題がありますが、県として国にどのように働き掛けをしているのか、保健医療部長に御所見をお伺いします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 御質問にお答え申し上げます。 議員お話しのように、難病患者を取り巻く様々な課題がございますが、助成対象となる疾患の拡大は特に大きな課題というふうに捉えております。医療費助成の対象とする要件は国が定めており、発病の仕組みが明らかではなく治療方法が確立していない、長期療養を必要とする希少な疾病で客観的な診断基準が確立していることとなっております。 県はこれまで、要件を満たすものの医療費助成の対象となっていない難病を指定難病として選定するよう、国に繰り返し要望してまいりました。また、今年度は、申請手続のDX化により患者さんの負担軽減につながるよう、牧島デジタル大臣や佐藤厚生労働副大臣に知事自らが要望しております。 難病で苦しむ患者さんの支援につながるよう、国に対するこうした働き掛けを今後もしっかりと続けてまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) ありがとうございました。 次に、(三)難病患者への支援の強化についてお伺いします。 健康な県民の皆様だけでなく、人工呼吸器を装着するなど、重い難病患者さんも住み慣れた地域の中で家族と一緒に安心して生活できるように支援していくことが望まれます。知事の公約にある誰一人取り残さないための一つの事例として、支援の強化にどのように取り組んでいくのか、保健医療部長の御所見をお伺いいたします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 御質問にお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、人工呼吸器を装着しているような難病患者さんも、住み慣れた地域で安心して生活できるための支援は非常に重要でございます。 県では、人工呼吸器の管理のため、診療報酬で定められた回数を超える訪問看護に要する費用の全額を負担しております。加えて、御家族の負担軽減のためのレスパイト目的の一時入院ができるようにしてあり、昨年度は、委託した十八医療機関で二百三十二日間の利用がありました。御家族からは、「体力・気力的に限界だった」「介護が休め、リフレッシュできた」など、利用して良かったという声をいただいております。 今後とも、患者さんや御家族が必要な支援について、しっかりと取り組んでまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 再質問いたします。 今、答弁の中にありました難病患者とその家族がより安心できるように、一時入院を受け入れる病院を更に増やすべきというふうに考えておりますが、再度、保健医療部長に御答弁をお願いいたします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 再質問にお答え申し上げます。 人工呼吸器を装着した重症な患者さんの一時入院を受け入れるには、医療機関の協力が欠かせません。働き掛けの結果、今年度から、空白地域であった県南東部で二か所増え、二十の医療機関で受入れが可能となりました。 今後も、より多くの医療機関に受入れ病院となっていただけるよう、強く働き掛けてまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) どうもありがとうございました。 次の質問に移ります。 七、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について。 (一)行政事務におけるAIアバターの活用についてお伺いいたします。 県では、DXビジョンを本年三月に策定し、社会全体のDXの実現による快適で豊かな真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革を目指すと具体的なビジョンを示しており、大いに期待しているところです。 民間ではDX推進に、開発含め、かなり先まで目指した動きをしております。人間の五感に当たる画像・音声の解析技術、AI及び各種ロボティクス技術を使い、より暮らしやすい社会の実現を目指しております。人とAI、ロボティクスとの共生する社会を目指していくことにより、労働力不足を補完し、生産性向上を図り、社会の課題を解決していくなど、DXを活用することにより多くの課題が解決できるような社会を構築していかなければならないと考えております。 そこで、本県では民間活力を利用し、AIアバター(自然音声、人間と同じような発音)を使った行政事務として、私はコールセンターやコンシェルジュとして活用できないか、特に新型コロナウイルス感染症等のコールセンター(既に神奈川県等で導入)にAIアバターを導入できるのではないかと考えております。近々に埼玉県でもAIアバターを活用していただきたいと考えますが、企画財政部長の御所見をお伺いいたします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 本県では、令和二年度にAIで県民の問い合わせにチャット形式で二十四時間自動応答する埼玉コンシェルジュを導入しました。以来、毎年度、性能の改善に取り組んでおりますが、満足のいく水準の完成までには道半ばというのが実情でございます。 議員からは、コールセンターにAIアバターを導入する御提案をいただきましたが、電話相談には人間でないと判断が難しい相談や一刻を争う切迫した相談も含まれます。現在のAIアバターに対応できるのは定型的な質問までで、導入済みの県も複雑な質問は人間が対応すると聞いております。当面はAIのチャットと人間のコールセンターの組み合わせとして、今後、AI技術が向上してコールセンターも対応可能となった時点で、AIアバターも含めた最善のツールの導入をしてまいりたいと思います。 ◆三十二番(関根信明議員) 答弁ありがとうございました。 AIアバターの実証実験を進めていただきたいと思います。 次の質問にいきます。 (二)教育におけるAIアバターの活用についてお伺いします。 県教育委員会でもAIやオンラインを活用し、鋭意DX化を進めていると推察しますが、AIアバターの活用を調査研究していただきたいと考えております。学校の先生は児童生徒に対して授業を行うだけでなく、授業の準備や成績処理、児童生徒からの相談など様々な業務を担っており、教職員の負担を軽減する働き方改革が叫ばれております。このような状況では、先生方は十分な授業準備ができず、また、自己研さんのための研修にも参加は難しいため、授業の質の向上が望めません。 そこで、教員の授業補助や児童生徒への様々な相談対応にAIアバターを活用できれば、授業準備の時間を確保でき、授業の質の向上につながるのではないかと思います。そこで、県教育委員会として是非、AIアバターの活用を調査研究していただきたいと思いますが、教育長の御所見をお伺いします。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 関根信明議員の御質問にお答え申し上げます。 AIやロボティクスなど、デジタル分野における先端技術は急速に進展してきており、教育分野においても、こうした先端技術を活用していくことは極めて重要であると考えております。県では、埼玉県学力・学習状況調査の結果をAIで分析し、小・中学校において、よりきめ細かい指導の実現を目指す実践研究を行うなど、デジタル技術の活用を進めております。 議員お話しのAIアバターにつきましては、商業施設等での接客サービスなどで活用され始めております。教育分野におきましては、英語教育における活用や、大学におけるバーチャルキャンパスなどの研究例が出始めたところと承知しております。こうした研究が更に進み、教育分野で具体的な活用につながる技術レベルが確立されれば、AIアバターも、より良い授業づくりや、児童生徒からの相談などに効果的な活用ができる可能性があるものと考えます。 県といたしましては、今後とも、AIをはじめとする先端技術の動向を注視し、教育分野におけるAIアバター活用の可能性を探ってまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 教育長、是非よろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 八、新成人への対応について。 (一)新成人への悪質商法対策についてお伺いいたします。 民法改正により、本年四月一日より成人年齢が十八歳に引き下げられました。全国約二百万人に上る十八、十九歳が新成人になります。新成人の方は、自らの判断と責任で自立した生活を送ることができるようになります。 本県では、新成人のための教育や、犯罪に巻き込まれないための周知活動等を行っているところだと思います。特に、犯罪に巻き込まれない、詐欺的な契約など、いわゆる悪質商法の被害に遭わないことが何といっても大切であると思います。 そこで、新成人に対する悪質商法対策を県警察としてどのように展開していくのか、警察本部長に御所見をお伺いいたします。       〔原和也警察本部長登壇〕 ◎原和也警察本部長 関根信明議員の御質問にお答え申し上げます。 本年四月一日に民法の一部を改正する法律が施行され、成年年齢が十八歳に引き下げられたことに伴い、議員御指摘のとおり、新たに成人となった十八歳及び十九歳の方々が対象となる悪質商法の被害が懸念されるところであります。このため、県警察におきましては、改正法の施行前から県をはじめとする関係機関と連携し、成人となる方々等を対象に、各種媒体を通じた注意喚起を積極的に行ってきたところでございます。 具体的には、県警察ホームページやツイッターにおいて、悪質商法の手口や、その被害防止対策の紹介を行っているほか、本年四月一日にはJR浦和駅において、県や学生ボランティアと合同で成年年齢引下げに伴う消費者被害等防止キャンペーンを実施いたしました。また、本年五月には、県内の大学からの依頼を受け、悪質商法被害防止講話も実施しております。 県警察といたしましては、引き続き関係機関と連携し、新たに成人となった方々が悪質商法の被害に遭うことを防止するため、積極的な情報発信を行うとともに、仮に被害が発生した場合には検挙活動を推進する所存であります。 ◆三十二番(関根信明議員) よろしくお願いいたします。 次に、(二)教育委員会等と県警察との連携についてお伺いします。 教育委員会、県民生活部、県警察、県内市町村等でそれぞれが新成人への対応を進めていると存じますが、各機関が連携して情報を共有し、的確に新成人を見守っていかなければならないと思います。 そこで、どのように連携を図っていくのか、県民生活部長に御所見をお伺いします。       〔真砂和敏県民生活部長登壇〕 ◎真砂和敏県民生活部長 関根信明議員の御質問にお答え申し上げます。 若者が悪質商法の被害に遭わないように、また、被害に遭った場合でも適切に対処するためには、議員御指摘のとおり、関係機関との連携が重要でございます。 まず、県教育委員会との連携につきましては、県消費生活支援センターで高校教員を受け入れ、消費生活相談員と連携したモデル授業の実践など、成年年齢引下げに伴う高校での消費者教育の充実を図っておるところでございます。また、センター職員などが高校に出向いて生徒や教員を対象に行う「十八歳成人に備えて学ぶ消費者教育講座」を開催しております。 次に、県警察本部との連携については、悪質事業者対策連絡会議を開催し、大学生のマルチ商法被害など新成人が被害者となる事業の共有を通じて、新成人などの悪質商法被害の拡大防止につなげております。 さらに、市町村との連携につきましては、令和四年四月、成年年齢引下げに伴い想定される消費生活相談や相談受付時の留意点などの情報を提供し、市町村での相談に役立てていただいております。 十八歳、十九歳の悪質商法被害は、これから顕在化してくる可能性があります。新成人が悪質商法の被害に遭うことのないよう、こうした取組を通じまして関係機関との連携、情報共有を更に推進してまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) ありがとうございます。 新成人のためにそれぞれ連携して見守っていただくことを申し添えまして、最後の質問に移ります。 九、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いします。 新型コロナウイルス感染症は、ここのところ大分落ち着きを見せております。また、収束してくれればよいと思いますが、危機管理からは最悪の状況を見ておくことが重要です。第七波に対する対策を早急に構築していく必要があると考えます。 今年の一月からオミクロン株の流行で、全国的にクラスターが発生しました。医療機関や高齢者施設のみならず、保育園や学校、障害者施設などの多くの施設で陽性者が相次ぎ、危機的な状況となったことは皆様御承知のとおりだと思います。 特に、高齢者施設では全国的に医療ひっ迫により施設入所者の入院が遅れたり、急激に衰えたりすることが生じたことから、医療支援の強化が課題となりました。この四月四日には厚生労働省から通知が出され、全ての高齢者施設で医師による診療を受けられる体制を整えることを自治体に求めたとのことです。 高齢者施設は言うまでもなく、ハイリスクな方が多くいることから、施設に対するクラスター対策は万全を期すべきと考えます。そこで、第六波における高齢者施設等への支援実績を含め、これらのクラスター対策について保健医療部長の御所見をお伺いいたします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 御質問にお答え申し上げます。 クラスター対策では、早期発見と感染経路の特定、迅速な支援が重要でございます。高齢者施設でコロナ陽性者が一人でも発生した場合、福祉事務所が施設の状況を早期に把握し、発生届を受理した保健所が感染経路を特定します。 迅速な支援として、第六波では感染防止対策専門チームCOVMATを延べ三十二回派遣したほか、感染管理認定看護師がオンラインで助言するeMATを延べ五十回実施をいたしました。また、職員が陽性となった施設に応援看護師を十四回派遣したところでございます。 ◆三十二番(関根信明議員) ありがとうございました。 再質問いたします。 国の通知にもあるとおり、更に高齢者施設への支援を強固なものにしていただきたいというふうに思っております。高齢者施設におけるクラスター対策及び医療支援について、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、保健医療部長にお伺いいたします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 再質問にお答え申し上げます。 施設に入所している高齢者にとって、施設内で安心して療養できる体制を整えることは重要なことでございます。 まずは、施設の嘱託医やかかりつけの医師がコロナ治療に対応いただけることが一番です。また、各施設がふだんから医師・看護師の往診・派遣を要請できる協力医療機関を確保しておくことも大切です。こうした体制を整えることについて、各施設に協力を要請しています。その上で、更に支援が必要となった場合には、県からの派遣医師を活用した医療支援を行うことを検討しております。 福祉部ともしっかり連携し、高齢者施設の医療支援の体制構築に努めてまいります。 ◆三十二番(関根信明議員) 以上をもちまして一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)          ---------------- △休憩の宣告 ○中屋敷慎一議長 暫時、休憩いたします。午前十一時三十五分休憩          ----------------午後一時一分再開 出席議員    八十五名     二番    三番    六番    七番     八番    九番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番   八十番   八十一番  八十二番  八十三番  八十四番   八十五番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    二名    六十番  七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○武内政文副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○武内政文副議長 質疑質問を続行いたします。 十五番 八子朋弘議員       〔十五番 八子朋弘議員登壇〕(拍手起こる) ◆十五番(八子朋弘議員) 皆さん、こんにちは。西第六区、富士見市選出、無所属県民会議の八子朋弘です。 傍聴にお越しいただきました皆様、大変暑い日となりましたが、ありがとうございます。 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。 まず初めに、大きな一つ目、知事任期残り一年を前に、公約の進捗状況はについて伺いたいと思います。 (一)現時点における評価は。 八月が来ると、早いもので知事の任期も残り一年となります。五大プロジェクト、十二の政策分野における具体的政策ということで、様々な公約を掲げられ、知事に就任されましたが、間もなく知事就任三年が経過をいたします。 令和元年の知事就任以来、豚コレラ、台風、そして新型コロナウイルス感染拡大と、様々な危機対応に追われ、思うような県政運営がしづらかったのではないかと推察されますが、一方で、昨年八月の記者会見におきましては、知事御自身、約八割が作成した工程表どおりに進んでおり、自己評価で点数を付けると七十五点との、いささか高い自己評価をされておられます。その後、半年以上が経過をいたしました。現時点における評価を知事にお伺いしたいと思います。 ○武内政文副議長 八子朋弘議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 八子朋弘議員の御質問にお答え申し上げます。 私は、令和元年八月に埼玉県知事に就任して以来、豚熱、令和元年東日本台風、そして、新型コロナウイルス感染症など多くの危機に対処してまいりました。正に危機管理に追われ、自分がやりたいことよりも、やらなければいけないことを優先せざるを得なかった二年十か月であったと感じております。 そのような中でも、日本一暮らしやすい埼玉の実現に向け、公約百二十九項目について令和元年十一月に発表をいたしました工程表も踏まえ、施策を進めています。令和三年度末時点では、このうち、埼玉版スーパー・シティプロジェクトや埼玉版SDGsなど九十八項目、全体の八割弱が工程表どおり進んでおります。残りの三十一項目につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により一部進捗に遅れなどが生じておりますが、それぞれ工程表に沿って施策を進めているところであり、総合的に判断をすると、おおむね順調であろうかと考えているところでございます。 ◆十五番(八子朋弘議員) 再質問させていただきます。 繰り返しになりますけれども、今、御答弁いただきましたが、現時点におけるですね、そうなりますと、前回は七十五点という点数を付けておられましたが、現時点で点数を付けるとするならば、何点ということになるのでしょうか。知事に答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、進捗表に項目を並べて、おおむね進んでいるものについては八割程度というふうに申し上げました。正直、自分で自分の採点をするというのは非常に難しいところもございますけれども、その意味では、大学の点数で言うとAに満たないところだろうというのが、前回の七十五点という根拠でございますので、現時点ではまだまだですね、あと一年あるものの、気を抜かないということも含めて、七十五点ぐらいを維持しているのかなというふうに思っております。 ◆十五番(八子朋弘議員) 前回が去年の八月で七十五点ですから、それから十か月ぐらい経過していますので、もう少し点数がいってもいいのかなと思いましたけれども、次にいきたいと思います。 (二)第三者評価機関の評価について伺いたいと思います。 現時点における御自身の評価は今伺ったところですが、やはり自分で自分の評価をするというのはある意味では難しいと、今、知事も答弁されておられました。ややもしますと、甘い評価になってしまうかもしれません。 そこで、知事御自身が公約の進捗状況等の評価を第三者評価機関にお願いしてみてはと思うのですけれども、知事はどのようにお考えでしょうか。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 御提案の第三者評価機関による公約の進捗状況等の評価につきましては、公約の評価基準をどのように設定するのか、公平・中立な評価が担保されるのかなどの課題もあり、もちろん自分で評価しますと、正直な話、それが正当なのか、甘いのか辛いのかも含めて分かりかねるところもございます。 そういったことも含めて、私の選挙公約のほぼ全てについては、今年度から県政運営の基礎となる埼玉県の5か年計画に反映をさせていただいたところです。この5か年計画で定められた施策を着実に実施するとともに、進捗管理を行い、目標に対する現状値などの情報を公開することによって、県民の皆様が判断ができるよう透明性を高めております。 このように、数値目標の設定を定め、県全体の施策の中で位置付けているため、現時点においては私自ら第三者評価機関に公約という形で進捗状況の評価をお願いするということは考えていないところでございます。 ◆十五番(八子朋弘議員) それでは、次にいきたいと思います。 この質問の最後に、残り約一年となるわけですけれども、この任期中、特に力を入れていきたい公約、若しくは政策につきまして、知事に御見解を伺いたいと思います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 私の公約のほとんどは、先ほど埼玉県5か年計画に盛り込ませていただいたというお話をし、また、この5か年計画につきましては議会でも御議論をいただきました。したがって、私としては、まずはこの埼玉県5か年計画に掲げた各施策を計画で終わらせることなく真摯に実現していくこと、これが最も大切だというふうに考えているところでございます。 御質問でございますので、あえて申し上げれば、その中でも本県の最大の課題は超少子高齢社会が待ったなしでやってくるというところだと思っております。そこで、コンパクト、スマート、レジリエントの要素を兼ね備えたまちづくりに取り組む埼玉版スーパー・シティプロジェクトは、これは全てが残りの一年で、あるいは一期で完成するというものではありませんが、それをしっかりと進展させるということが大切だと思っています。 また、ポストコロナを見据えて、強い埼玉県の経済を構築する必要が現時点では強く求められていると考えます。そこで、コロナ禍を奇貨として進んだデジタル化を更に推し進め、デジタル人材の育成や行政手続のワンスオンリー、ワンストップの実現など、社会全体のDXの推進に取り組んでまいります。 さらには、女性活躍の推進、LGBTQの支援など、誰もが輝く、誰一人取り残されない社会を目指す施策についても力を入れたいと思います。 こうした施策に重点的に取り組むことによって、あらゆる人に居場所があり、活躍でき、安心して暮らせる社会が実現するものと考えております。 ◆十五番(八子朋弘議員) 残り一年となりましたが、一年後にですね、一〇〇パーセント、百点と、知事が胸を張って県民の皆様に発信できるよう、残り一年頑張っていただきたいと思いますし、議会としてもチェックをしつつ後押しをしていきたいと思っております。 それでは、次の大きな質問二、県立中学校設置に向けた取組について伺いたいと思います。 (一)具体的な取組について。 今年の二月定例会の文教委員会におきまして、県立中学校設置に係る附帯決議が見直され、埼玉県でも伊奈学園中学に続く県立中学校設置に向けた環境が整ったと理解をしております。 県立の場合、私が申し上げるまでもなく、私立中学に比べて経済的なことを気にすることなく進学ができる。また、中高一貫教育校では高校受験がないため、六年間伸び伸びと継続して学ぶことができること、高校進学のタイミングで学習カリキュラムが分断されることがないため、高校の内容を一部中学校で指導できるなど、時間的にも余裕を持って大学受験の勉強に取り組むことができること、特色ある学習プログラムを展開できること等、メリットが多くあるため、県民の期待も大きいと思われます。 一方、高校受験がないために、いわゆる中だるみしてしまうといったデメリットも指摘されてはおりますが、総合的に判断してメリットの方が大きいと考えられるのではないでしょうか。 そこで、県として設置に向けてどのように取り組んでいくのか、スケジュールも含めた考え方を教育長にお伺いいたします。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 八子朋弘議員の御質問にお答え申し上げます。 県立高校におきましては、教育の本質を追究しつつ、社会の変化に対応し、時代の要請に応えられる創造性豊かな人材を育成するため、より一層の特色化や活性化を図っていく必要があると考えております。また、もとより公教育は、誰一人取り残さないという視点を大事にしながら、子供たち一人一人に寄り添いながら、きめ細かく支援していくことが大きな役割と認識しています。そのため、子供たちの多様なニーズに応え、不登校など様々な課題のある子供たちに対する公教育の充実や中高一貫などの特色ある教育など、学校選択の幅を広げていくことは極めて重要であると考えます。 中高一貫教育は、生徒や保護者の進路選択の幅を広げるとともに、六年間を見通した教育により中等教育の一層の多様化の推進や生徒の個に応じた教育の実現に寄与するものとして導入されました。県といたしましては、公教育全般の充実を図っていく中で、この中高一貫教育につきましても検討していく必要があるものと考えております。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問に移ります。 (二)中等教育学校と併設型中高一貫教育校について。 中高一貫教育校には、主に中等教育学校と併設型中高一貫教育校があります。中等教育学校は、中高六年間の一貫教育を提供し、高校での生徒募集はありません。一方、併設型はその名のとおり、中学と高校が同じ敷地内や近隣エリアに併設されている学校で、高校から新たに入学してくる生徒もいます。どちらも試験なしで高校へ進学できるという特徴がありますけれども、現在、県内唯一の県立中学校である伊奈学園中は、併設型になるかと思います。 そこで伺います。県としては、現時点でですね、検討ということですけれども、どのようなイメージを持っておられるのか、教育長にお伺いいたします。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 中高一貫教育校のうち中等教育学校は、高校から入学する生徒はいないため、一貫したカリキュラムの編成の下、六年間継続した指導が可能であるなどの特色がございます。一方、併設型中高一貫教育校は高校から入学することも可能であることから、高校進学時には新たな人間関係も築くことができるといった特色がございます。 全国の公立中高一貫教育校の設置状況は、現在は併設型の方が中等教育学校より約三倍程度多く設置されている状況でございますが、どのような設置形態が本県の公教育の充実につながるのかという視点から研究してまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問にいきます。 (三)特色あるプログラムについて。 近隣の都県の事例を見ますと、中高一貫教育校に期待される点は六年後の進学実績、つまり学業に偏りがちであると思います。もちろん、学業も大事な要素ではありますが、スポーツや文化活動等、学業以外の分野についても六年間通じて学べる機会、正に特色あるプログラムを提供する意義があるのではないかと思いますが、この点につきましても教育長の考えを伺いたいと思います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 県立伊奈学園中学校では、これまでも企業等と連携した社会につながる学びや、卒業生との交流を通じたキャリア形成など、特色ある教育活動が行われております。生徒及び保護者に行ったアンケートでは、学校を選んだ理由として、グローバル教育や探究活動などの充実した教育内容や部活動も挙げられています。 他県の中高一貫教育校でも、国際理解教育やサイエンス教育に力を入れる学校、部活動やボランティア活動を中高で一緒に取り組む学校など、特色あるプログラムを行っている学校がございます。学業だけでなく、スポーツや文化活動等、特色あるプログラムを提供することは、生徒の多彩で豊かな学びにつながり、意義があることと考えます。 ◆十五番(八子朋弘議員) 是非できるだけ早く県立中学校が設置されるよう、検討を促進していただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 三、一時保護所をめぐる課題について。 (一)課題への対応について。 虐待をはじめとする様々な事情によりまして、一時保護所に保護される子供たちが存在します。そんな子供たちにとって、一時保護所は安心でき、自分が大切にされたと感じられる場になっているのでしょうか。このテーマについては、ちょうど一年前の六月議会で無所属県民会議の岡村議員も取り上げておりますけれども、私からも改めて取り上げたいと思います。 県が設置している一時保護所は現在四か所あり、令和二年度の入所率は九六・四パーセント、九百四十四人の子供たちを保護しましたが、相変わらず満員に近い状態であります。個室がない、私物の所有が制限されている、学校に通えない等々、子供の権利保障が十分ではないのではないかといった状況があり、また、職員の皆さんも多忙により研修に参加しづらい、障害のあるお子さんへの対応が十分にできていないといった実態が言われております。一時保護の性格上、やむを得ない面もありますが、可能な限り子供たちにとって安心して心安らかに生活できる場にしていくべきではないかと思います。 これら一時保護所の課題に対し、現在どのように対応しておられるのか、福祉部長に答弁を求めます。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 八子朋弘議員の御質問にお答え申し上げます。 一時保護は児童の最善の利益を守るために行われるものであり、一時保護所が児童にとって安心して過ごせる場所である必要があります。そのため県では、一時保護所入所時に「一時保護所のしおり」を配布し、児童の権利について丁寧に説明しています。また、各一時保護所に意見箱を設け、児童が自由に意見を言えるようになっているほか、様々な機会を捉え、職員が児童から直接意見を聴いています。 入所率が高いという課題に対しては、令和五年度開所予定の熊谷児童相談所に新たに一時保護所を整備するとともに、より多く個室化することでプライバシーにも配慮してまいります。 さらに、改正児童福祉法では第三者が児童の声をくみ取る機会を確保することが求められているため、今年度新たに一部の児童相談所に弁護士や社会福祉士を派遣して児童の意見を聴く取組を開始いたします。 今後も、一時保護所がより安心して心安らかに生活できる場になるよう取り組んでまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 昨年の岡村議員の質問のときの答弁に比べて、少し前進したのかなというふうに受け止めました。 次の質問に移りたいと思います。 (二)第三者評価機関について。 埼玉県では、一時保護児童の権利擁護と施設運営の質の向上を図るため、第三者評価を受審しており、日々改善に努めております。そのこと自体は評価できるものでありますが、それではその第三者評価、果たして適正な評価ができているのでしょうか。 第三者評価の一番の課題として、専門性の低さが指摘をされております。県のホームページで見る限り、これまで県内の一時保護所の評価をしてきた機関は三つの株式会社でありますけれども、どちらかというと介護や福祉を専門にしてきた事業者ではないかと思います。それら機関は一時保護所の業務に精通した機関だったのでしょうか、福祉部長にお伺いいたします。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 本県では、平成三十年度から児童相談所一時保護所の第三者評価を開始し、県内四か所の一時保護所でそれぞれ二年に一回評価を実施しています。この第三者評価では、一時保護の環境及び体制整備、子供へのケア・アセスメントなど、五項目の視点について、実地調査や児童へのアンケート調査などに基づき評価がされております。 評価機関については、埼玉県福祉サービスの第三者評価機関として県が認証した機関の中から、児童福祉分野に対応可能な機関を選定しております。これまで評価をお願いしてきた三つの機関は、議員お話しのとおり一時保護所の評価を専門とはしておりませんが、児童福祉分野の評価実績が一番多く、適切に評価をいただいているものと考えております。 ◆十五番(八子朋弘議員) 再質問をいたします。 厚生労働省が示している第三者評価のガイドラインにのっとって評価をしているんだと思いますけれども、県のホームページの報告書を見る限りでは、職員ですとか入所児童に対するヒアリングですとかインタビューをしているのか疑問に思いました。特に、入所児童に対するヒアリングは、子供のケアの心得がある評価委員が行う必要があるなど、簡単なものではないと言われております。 そういった意味では、これまで評価をいただいた機関については、果たして本当に十分であったのかなと思うのですけれども、再度、福祉部長にお伺いしたいと思います。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 再質問にお答え申し上げます。 児童相談所の実地調査において、職員へのヒアリングは実施しております。また、児童へのヒアリングにつきましては、児童への負担や意見の出しやすさを考慮して、直接聞き取る方法ではなく、アンケート調査により意見を聴取しております。さらに、職員が子供にどのように接しているかについても、実際に確認をしております。 こうした点を踏まえて、これまで評価をお願いしてきた機関は、適切に評価をいただいているものと考えております。 ◆十五番(八子朋弘議員) それでは、次の質問に移りますけれども、(三)として、業務に精通した機関の評価を受けるべきではないかといった観点から質問させていただきますが、昨年、民間による児童相談所専門の、つまり児童相談所や一時保護所の業務に精通した第三者機関が発足したと聞いております。今後はそのような機関に評価を依頼して、より質の高い第三者評価を受けることによって、これまで以上に目的を達成する努力をしていただきたいと思うわけですけれども、福祉部長に答弁を求めます。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 議員お話しの児童相談所専門の民間第三者評価機関が昨年度設立され、今年から本格的に活動を始めるというふうに聞いております。こうした児童相談所や一時保護所の業務に精通した評価機関を含め、より質の高い第三者評価が受けられるよう、評価機関の選定を行ってまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 是非、子供のためにも第三者評価、しっかり受けていただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 四、公立中学校の運動部活動改革について伺いたいと思います。 (一)県の対応について。 少子化で危機に陥っている部活動の存続、土日や祝日も指導に携わっている顧問教員などの負担軽減等々、公立中学校の運動部活動を取り巻く課題解決のため、スポーツ庁の有識者会議は休日の運動部活動指導をスポーツ団体などへ委ねる地域移行等の提言をまとめ、令和四年六月、つまり今月にスポーツ庁長官に提出をいたしました。 それによりますと、二〇二三年度、つまり来年度から二〇二五年度を改革集中期間と位置付け、二〇二五年度末までに全国で達成する目標を掲げております。また、各都道府県が推進計画を策定し、それに基づいて市区町村も計画を立てるような制度となっており、さらには、都道府県が進捗状況を調査し、課題のある市区町村に対して指導することも想定をしています。 有識者会議座長の日本学校体育研究連合会の友添秀則会長は、「明治時代以来の部活動の抜本的な変革。三十年後、五十年後のスポーツ振興に大きな意味がある」と語っていますが、仮に今回の改革がうまくいけば、部活動の存続や教員の負担軽減といった様々な課題の解決のみならず、将来の日本のスポーツにとって大きなプラスになるかもしれません。 さて、来年度から改革集中期間がスタートするということで、余り時間がない中、県としてどのように対応をしていくのでしょうか、教育長にお伺いいたします。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 県では、運動部活動の地域移行に向けて、令和三年度は白岡市で、令和四年度は更に戸田市を加え、実践研究を行っております。この実践研究は、地域移行した場合の活動の場や指導者の確保、あるいは、保護者の費用負担などについて地域の中で話し合い、実際に活動につなげていくものであり、成果や課題については実践報告会を通じて、その他の市町村にも情報提供を行っているところです。 スポーツ庁の有識者会議の提言を受け、国においては今年度中に地域移行に係るビジョンを示すとしております。県といたしましては、国の動向を注視しつつ、今後、庁内に部活動地域移行推進委員会を立ち上げ、他県の取組事例に関する情報収集や市町村の取組促進に資する資料の作成を進めるなど、部活動の円滑な地域移行に向けて取り組んでまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 白岡市ですとか戸田市で先行して研究をしているということですけれども、この提言を見ますと、地域移行をする際に運営や指導の担い手としてスポーツ協会ですとか、総合型の地域スポーツクラブ、スポーツ少年団、プロチーム、大学等を想定しているようです。また、参加する生徒は、先ほど御答弁にもございましたけれども、スポーツ団体等に会費を支払うと。また、希望する教員は、移行先でも指導ができるようにする等々、様々な方法というのが示されているわけですけれども、県としてそれらいろいろな案に対応していく場合に、どんな課題が考えられるのか、実際に先行して二つの自治体で研究していますから、幾つかの課題は分かっていると思いますけれども、教育長に伺いたいと思います。 ○武内政文副議長 再質問でよろしいですか。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問です。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 運動部活動の地域移行について、スポーツ庁の有識者会議の提言には様々な方法の案が示されております。 これらの方法には、例えば、地域によって指導の担い手となる実施団体や指導者の確保が困難な場合も想定されることや、実際に実施団体等が確保できた場合でも、休日に指導を行う実施団体等の指導者と平日に指導を行う教員との連携方策などの課題が考えられます。また、保護者の費用負担の在り方、さらには、教職員の兼業制度の整備など、多くの課題があると考えております。 ◆十五番(八子朋弘議員) 今、教育長の答弁のとおり、様々な課題がありますので、それらの課題を可能な限り整理して前に進めていただきたいと、対応していただきたいと思います。 次の質問に移ります。 (三)生徒の立場に立って改革を進めるべきではないかという観点で質問しますが、埼玉県を見渡してみますとマンモス校が存在する地域もあれば、小規模校が存在する地域もあり、同じ県内でも事情は異なっております。先生方の働き方改革も大切ですが、最も大事なことは部活動をする生徒にとってプラスになるかどうかだと思います。その視点を常に忘れずに改革に取り組んでいただきたいと思いますけれども、教育長の所見をお伺いします。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 部活動は生徒の心身の健全な育成にとって大変重要な教育活動の一つでございます。こうした考え方を基本として、生徒にとってもより良い部活動となるような地域移行ができることが望ましいと考えております。 県といたしましては、部活動に参加する生徒にプラスとなるよう、様々な課題の解決に向け、市町村と一体となって検討を進め、部活動の地域移行が円滑に進むよう努めてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問に移ります。 (四)教員の増員について。 この質問の最後に、今回の改革を否定するものではないんですけれども、質問するに当たりまして私なりにいろいろと考えました。考えた結果、この改革の目的の一つである先生方の働き方改革、これについては究極的には教員の増員が一番すっきりする解決策ではないのかなと思うわけですけれども、この点について教育長のお考えをお伺いしたいと思います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 近年の学校を取り巻く環境が多様化、複雑化する中、学校の担う役割が拡大し、教員への負担が大きくなっており、学校における働き方改革は解決しなければならない最重要課題の一つと認識しております。 議員お話しの教員の増員につきましては、例えば、小学校における三十五人学級の拡大や、理科や英語を専門に教える教員の加配など、国による定数改善によって学級担任の負担は改善されております。県といたしましては、こうした状況を踏まえ、今後とも、あらゆる機会を捉えて教員定数の改善を国に強く要望するとともに、働き方改革の推進に粘り強く取り組んでまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) いずれにいたしましても、運動部活動改革につきましては、子供たちの利益になるようにしっかり進めていただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 五、民生委員のなり手確保について。 (一)若い世代のなり手確保について。 一人暮らしの高齢者らの自宅を訪問したり、相談に応じたりする民生委員につきましては、多様化する社会において活動内容が増加、複雑化しており、なり手確保、担い手の高齢化等の課題が問題となっております。さきの二月議会における一般質問でも、荒木議員がこの問題を取り上げておられましたが、私からも改めて伺いたいと思います。 埼玉県では、平成二十五年度より国が年齢要件としている七十五歳未満を上回る独自基準を設け、なり手の確保に努めておりますが、改選のたびに充足率がじりじりと低下をしています。三年前、直近の一斉改選時点の充足率は政令市、中核市を除いて九四・六パーセント、約四百人足りない状態となっており、残念ながらなり手不足の解消には至っておらず、むしろ不足傾向は改選のたびに拡大をしています。 また、七十五歳以上の民生委員さんは全体の五・八パーセントを占めており、こちらについても改選のたびにその比重は拡大をしています。高齢化していることは否めません。もちろん、一律に年齢で活動を制限する必要はなく、七十五歳以上でも健康でしっかり職責を担うことができる方はたくさんおられ、そのような方には御無理のない範囲で仕事をお願いすればよいと思いますが、民生委員の仕事内容が増加、複雑化している昨今、できるだけ若い方に担っていただけるに越したことはないと思います。 県として、可能な限り若い世代のなり手確保に取り組むべきではないかと思いますが、福祉部長にお伺いいたします。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 地域住民にとって最も身近な相談役である民生委員には、経験豊富な年代の方だけでなく、長年にわたり活躍していただける若い世代の方々にも担っていただくことが必要です。民生委員活動は、高齢者の見守り訪問や困りごと相談をはじめ、民生委員地区協議会での情報交換なども平日の昼間に行われることが多く、仕事や子育てなどがある人にとってハードルが高いものになりがちです。 そこで、夜間や休日に地区協議会の打合せを実施するなど、参加しやすい環境づくりに努めている地区もあります。また、活動の負担を軽減するため、ICTの活用や民生委員をサポートする協力ボランティア制度を導入して、高齢者の見守り訪問への協力や学校行事への参加などの業務をボランティアが担っている地区もございます。 県では、こうした優良な取組を研修などを通じて市町村に提供して、時間的制約があっても民生委員活動に取り組める環境づくりを進めることで、若い世代のなり手の確保に積極的に取り組んでまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問に移ります。 (二)活動実態把握調査のスケジュールについて。 今年の十二月に行われる三年に一度の改選を迎えるに当たり、検討、対策を急ぐ必要があると考えます。 荒木議員の質問の際、部長より民生委員活動の実態と、民生委員がどのような点でやりがいや難しさを感じているかなどを把握し、分析することは、なり手不足の解消に向け大変重要なことであると考えている。市町村や県民生委員・児童委員協議会、民生委員と関係の強い県社会福祉協議会などと協力して、効果的な民生委員活動の実態把握方法や、その活用方策について検討を進めていく。といった答弁がありましたが、まずは実態を把握して、仕事の内容を精査して、結果として負担を減らしていくことは重要ではないかと思います。 できるだけ早く実態調査を行うべきと考えますが、そのスケジュールについて福祉部長にお伺いしたいと思います。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 民生委員活動の実態を把握することは、なり手確保の対策を講じる上で大変重要です。そこで、まずは、各市町村を対象に民生委員活動の内容や範囲、好事例や課題などについて調査をしたいと考えており、現在準備を進めております。 また、民生委員の方々から直接、どのような点で活動にやりがいや難しさを感じているかなど、生の声を伺って分析するため、県内全ての民生委員の方々に対してアンケート調査を実施したいと考えております。実施時期につきましては、協力して調査を行う県民生委員・児童委員協議会などに意見を伺ったところ、一斉改選の年は関係者が極めて多忙であるため、調査に協力してもらうことは難しいとのことです。また、新たに民生委員になった方が半年程度は活動に携わった後の方が、課題なども整理しやすいのではないかとの意見もいただいています。 これを踏まえ、民生委員へのアンケート調査は来年の五月頃に実施したいと考えております。
    ◆十五番(八子朋弘議員) 来年の五月ということですから、今回の改選にはちょっと間に合わないのかなと思いますので、その次に向けて是非実態の把握をしていただき、つなげていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 (三)なり手確保のための予算について。 岐阜県では、民生委員なり手確保対策事業費といった、なり手確保に特化した予算を確保して、DVDやパンフレットを作成して積極的に活用し、なり手確保に努めているそうです。現役の民生委員さんからも評価をいただいているようで、まずは広く民生委員という仕事を知っていただくという意味で効果があるようでございます。そのことが、いずれはなり手不足の解消につながっていくものと思われます。 埼玉県でも参考にすべきではないでしょうか、福祉部長にお伺いいたします。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 民生委員のなり手を確保していくためには、まずは民生委員の仕事を広く知っていただくことは大変重要なことだと思います。県では、これまで彩の国だよりにおける広報をはじめ、優良事例を紹介したマニュアルの配布や、民生委員向けのDVD教材の配布などを行ってまいりました。 議員お話しの岐阜県では、こうした取組のほか、五月十二日の民生委員・児童委員の日に合わせた新聞広告などによりPRに力を入れていると伺っております。そのほか、栃木県では地域住民を対象として、民生委員による講義とともに、実際に民生委員活動に同行する民生委員一日体験といった取組を行っているところもございます。 このような様々な事例を参考にして、市町村や関係団体とも連携をしながら、民生委員活動に対する県民の方々への理解をより深めることで、なり手不足の解消につなげてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) それでは、次の質問に移ります。 六、不登校支援からひきこもり支援について。 昨日、岡村議員もひきこもり支援を取り上げておりましたけれども、私からも違った角度から伺いたいと思います。 小学校、中学校で不登校状態になってしまった生徒は、その後、高校等への進学後も不登校、そして、ひきこもり状態に陥ってしまうケースが多いと言われております。滋賀県野洲市が令和元年度に実施したひきこもり支援についての調査報告書によりますと、ひきこもっている人のうち不登校歴がある者は、明らかになっているものだけでも約二〇パーセントという結果が出ております。つまり、不登校状態からひきこもりにならないよう支援することが、ひきこもりを減らしていく一つのポイントであり、野洲市ではそのような観点から、中学校の卒業後も支援が継続できるような体制を構築しております。 不登校支援とひきこもり支援を別々に考えるのではなく、継続的に支援していく体制が必要であると考えます。そこで、質問をいたします。 アといたしまして、高校に進学したケースの支援はということで伺いたいんですが、中学から高校へ進学するケースでは、きちんと高校に情報提供をし、支援を継続していくべきと考えますけれども、教育長に答弁を求めたいと思います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 ひきこもりのきっかけにつきましては、内閣府も調査を実施しておりますが、その調査結果では退職や病気などいろいろなケースがあり、不登校がきっかけだったというケースもございました。そのため、中学校で不登校となった生徒が高校に進学する場合には、その高校に適切な情報提供を行い、支援を継続していくことが重要なことと考えます。 生徒の中には、例えば、病気がちであったり、家庭の経済状況が厳しかったり、様々な困難を抱えながら学校生活を送っている者もおり、そうした生徒が高校に進学した場合には、少しでも充実した高校生活が送れるよう、必要に応じて中学校から高校に対して情報提供に努めております。その際に、不登校など特に申し送りが必要であると考えられる場合には、本人や保護者の了解の下、中学校における生徒の様子や支援の状況について具体的な情報提供を行っております。 不登校経験のある生徒が高校に進学した場合には、こうした取組を通じて生徒一人一人に対して継続的に支援してまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) それでは、次の質問に移ります。 イ、高校に進学しなかったケースの支援は。 高校等へ進学しないケースでは、地域による継続的な支援が必要と考えますが、果たして現在どのような支援が行われているのかを保健医療部長にお伺いしたいと思います。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 八子朋弘議員の御質問にお答え申し上げます。 高校に進学しなかったケースの支援についてでございます。こうしたケースについては、市町村の担当部署が中学からの情報を引き継ぎ、支援につなげていく必要があるというふうに考えております。市町村においては、地域の実情に応じ、民間支援団体や市町村社会福祉協議会など様々な主体と連携し、ひきこもり支援に取り組んでいます。 県は、保護者の方などからの相談や市町村からの求めに応じ、保健所や埼玉県ひきこもり相談サポートセンターなどにおいて専門性の高い相談に対応することにより、保護者の方や市町村を支援しているところでございます。 ◆十五番(八子朋弘議員) それでは、次の質問に移りたいと思います。 (二)児童生徒理解・支援シートについて。 先ほど教育長から答弁いただきましたけれども、中学から高校に進学した場合の支援の方法について、更にお伺いしたいと思います。不登校等の課題がある生徒が高校に進学する場合、中学から高校へは具体的にどのような情報提供がなされているのでしょうか。 令和元年十月、文部科学省は初等中等教育局長名で各都道府県教育長や各都道府県知事宛てに「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知を出しております。その通知を見てみますと、学校等の取組の充実として、不登校児童生徒への効果的な支援策として児童生徒理解・支援シートを活用した組織的・計画的支援が示されており、小学校、中学校、高等学校間の引継ぎが有効であるとのことであります。 そこで教育長に伺いたいのですが、本県ではこの児童生徒理解・支援シートが有効に活用されているのでしょうか、答弁を求めます。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、文部科学省は支援を必要とする児童生徒の状況を的確に把握するとともに、関係機関で情報共有し、組織的、計画的に支援するための児童生徒理解・支援シートの参考様式を示しております。各市町村においては、この様式を参考にして、不登校傾向のある児童生徒の現在の状況や個別の支援計画等を記載した独自のシートを作成し、児童生徒一人一人に合った支援に活用しております。 他方、中学校から高校に引き継ぐ場合には、より詳細な情報を適切に伝えるため、直接口頭で行うことも多く、シートの活用が十分になされていない場合もあると認識しております。この児童生徒理解・支援シートの進学先への引継ぎは、不登校児童生徒への継続的な支援の観点から重要と考えられることから、小・中学校や高校の生徒指導担当教員の会議等において改めて周知してまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 再質問させていただきます。 さきの通知には、学校間の引継ぎについて、特に設置者が異なる中学校から高校、若しくは公立学校から私立学校等で引継ぎを行うことは、個人情報保護の配慮等から消極的になることが考えられますが、引継ぎを適切に行うことは児童生徒への支援につながり、学校だけで抱え込むことを防ぐことにもつながるとあります。また、単にシートの写しを渡すだけではなくて、情報交換の機会を設けるなど、責任を持って引継ぎを行うことが重要であるとのことであります。 先ほど答弁もございましたけれども、正にそのとおりだと思いますので、いま一度しっかりとこのシートを活用していただくよう徹底していただきたいのですが、改めて教育長にお伺いしたいと思います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 再質問にお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、児童生徒理解・支援シートを進学先へ責任を持って引き継ぐことは、不登校児童生徒への継続的な支援のためには非常に重要なことと考えております。 今後も引き続き、各学校に対して、本人や保護者の方に十分御理解をいただいた上で、学校種を超えた中学校から高校へ、あるいは、公立の学校から私立の学校へということもございますので、学校種を超えた情報共有をすることの重要性を周知いたしまして、児童生徒理解・支援シートの活用を徹底してまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○武内政文副議長 暫時、休憩いたします。なお、再開は二時五分といたします。午後一時五十五分休憩          ----------------午後二時五分再開 出席議員    八十五名     二番    三番    六番    七番     八番    九番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番   八十番   八十一番  八十二番  八十三番  八十四番   八十五番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    二名    六十番  七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○武内政文副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○武内政文副議長 質疑質問を続行いたします。 ◆十五番(八子朋弘議員) それでは、次の質問に移ります。 (三)教育と福祉が連携した滋賀県の取組についてということで、滋賀県の事例を紹介したいと思います。 滋賀県では、二〇二一年四月より、児童生徒の健全育成に係る県と市町の連携による取組をスタートしています。不登校の児童生徒の中には、ひきこもりとなるケースや、背景に発達障害があるケースもあることから、ひきこもりの防止策として、また、発達支援上の切れ目のない支援として、学校と関係機関、特に地域支援機関をはじめとする福祉部局との情報共有や連携した支援が求められているとしています。 滋賀県では、これまでも市町と県立学校との間において必要な連携は一定行われてきたところではありますが、地域や学校によって取組に差があることから、仕組みとして支援を必要とする児童生徒の情報を共有し、連携した支援を行う体制を整える必要があると判断しました。これは県立学校へ進学した児童生徒のうち、特別な支援を必要とする者が切れ目のない支援を受けられるよう、市町、市町の教育委員会、そして県、県教育委員会の四者で協定を締結し、県と市町、教育委員会と福祉部局の枠を超えて、支援を必要とする児童生徒の情報を共有した重層的な支援を行う取組であります。 この協定によりまして、不登校や発達障害、退学が心配される者等を支援の対象に、必要に応じて関係機関の担当者によるケース会議を開催するなど情報共有を行うとともに、関係機関で連携した対応策の検討及び支援を行っております。 先ほど、児童生徒理解・支援シートの活用を求めましたが、併せて滋賀県のような体制を構築すべきと考えますけれども、教育長の考えをお伺いいたします。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 不登校の背景に発達障害などの事情がある児童生徒の支援に当たっては、学校と各地域の関係機関が連携しながら組織的に支援を行っていくことが重要と考えます。その際、児童生徒の支援に当たり、学校と各地域の医療・福祉等の関係機関が組織の枠を超えて一定の個人情報を共有する必要も生じます。 議員お話しの滋賀県の取組は、県立学校へ進学した特別な支援を必要とする生徒が切れ目のない支援を受けられるよう、関係機関の間で当該生徒の情報を共有するために行ったものと聞いております。県といたしましては、滋賀県の取組について具体的な情報共有の内容を把握するとともに、地元市町村の福祉部局、医療機関、特別支援学校などとの緊密な連携の下、不登校の生徒一人一人に寄り添いながら適切な支援に努めてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 是非よろしくお願いいたします。 それでは、次の質問に移ります。 七、子どもの運動機会の確保について。 (一)全国トップクラスの体力について伺います。 二月定例会におきまして田並議員も代表質問で取り上げておられましたが、コロナ禍の下、子どもの体力低下が指摘をされています。埼玉県の子どもたちは、昨年度の、いわゆる全力体力テストの結果を見ると、調査対象の小学五年の男子が全国五位、女子が七位、中学二年の男子が八位、女子が二位と全国的には上位に位置しており、この傾向は例年維持されているようですが、県としてこの全国トップクラスの体力をキープしている理由をどのように捉えておられるのでしょうか、教育長に伺います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 国の、いわゆる全国体力調査において、本県の児童生徒が上位となっている理由としては、長年にわたり継続的に実施してきた体育指導における取組による成果と捉えております。 具体的には、毎年、県内公立学校の全児童生徒を対象に、新体力テストを実施し、その結果を基に児童生徒一人一人の体力達成目標などを示した体力プロフィールシートを作成しています。各学校では、このシートを活用した授業や、栄養・睡眠などの基本的な生活習慣の改善を計画的に行うなど、他県には余り例のない取組を実施しています。また、毎年度、小・中学校五校程度を対象に体力課題解決研究校を指定し、それらの取組を研究発表会や報告書の配布等により県内公立学校に広く発信しています。 今後とも、各市町村や県立学校と連携を図り、引き続き体育指導の工夫や運動機会の確保を図り、子どもたちの体力の維持・向上に努めてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問に移ります。 (二)低調なボール投げについて。 全国体力テストでは、握力、上体起こし、五十メートル走、ボール投げといった実技テストが八種目行われております。先ほど述べたように、埼玉県は八種目の合計順位は全国上位を占めておりますが、なぜか小学五年のボール投げだけを見ると、男女共に例年全国平均を大きく下回っています。しかも、その順位は三十位台後半から四十位台であり、下から数えたほうが早い状況です。 なぜ、ほかの七種目は全国平均を上回っているのに、ボール投げだけはこのような結果になるのでしょうか。正確には、握力も全国平均を下回る年もありますけれども、ボール投げの結果が顕著でありますので、ボール投げのこの傾向につきまして、県としてその要因をどのように捉えているのか、教育長にお伺いいたします。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 全国体力調査における本県のボール投げの結果では、中学校二年生は男女共に全国平均を上回っているのに対して、小学校五年生については男女共に全国平均を下回る状況が続いております。学識経験者などで構成した埼玉県体力向上推進委員会では、ボールを投げる機会の減少により投げる技能が身に付いていない児童が多いことや、学校以外で体を動かす機会自体が減っていることなどが指摘されています。 また、全国のボール投げの状況を見ると、東京、千葉、神奈川、大阪、愛知、兵庫などのいわゆる大都市圏では順位が三十位台後半から四十位台に集中していることから、本県を含め都市部においては物を投げるという場や機会が少ないのではないかと考えられます。 こうしたことから、児童生徒の運動環境の変化とともに、ボールを投げる機会の減少、正しいボールの投げ方が小学生の段階では身に付いていないことなどが要因であると捉えております。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問に移ります。 (三)ボール投げ能力向上のための具体的な取組について。 ボール投げが全国平均を上回るようになれば、全国一位も現実のものになってくるのではないでしょうか。全国体力テストの調査報告書には、取組事例として成果を上げている学校の取組が紹介されています。そちらを見ますと、ボール投げについては、休み時間に様々なボールを貸し出したり、外部指導者にボール投げの指導をいただいている事例が紹介されております。 なお、投げる力につきましては、平成三十年九月議会において清水議員が「全国平均を常に下回る『ボール投げの能力』の向上について」ということで質問をしておりまして、当時の教育長は、ボール投げが低調である原因については「明確な原因がつかめておりません」としており、今後どのように取り組んでいくかについては、「ボール投げ能力の向上については、平成二十八年度の全国調査の報告書の中で、『一つの動作や種目に限定することなく、複合した多様な運動の実施が効果的であることが推察される』とされております。そこで、本県でも平成二十九年度からボール投げ能力の向上のためにも、児童生徒一人一人の得手、不得手に応じた指導を行い、総合的な体力の向上に取り組んでおります。今後は、引き続き投げる動作も含めた多様な運動に取り組み、総合的な体力の向上を図る中でボール投げ能力が高まるよう努めてまいります」と、そのように答弁をしておられました。 それから四年が経過をしましたけれども、残念ながら成果が出ているとは言えない状況です。先ほどちょっと答弁もございましたけれども、四年前のような抽象的な答弁でなくて、より具体的な答弁が求められると思うわけですが、ボール投げ、つまり投げる力を付けさせるために、県として今後どのように取組を進めていくお考えなのか、改めて教育長に伺いたいと思います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 小学生のボールを投げる能力を向上させるためには、教員がボール投げに関する正しい指導法を身に付けることが必要であると考えております。 そのため、令和二年度に埼玉県ソフトボール協会と川口市立里小学校の協力の下に作成した投力向上のための動画を県ホームページに掲載し、県内の教職員がいつでも活用できるようにいたしました。また、毎年六月に実施している小学校体育実技指導者講習会では、西武ライオンズアカデミーに講師を依頼して、正しいボールの投げ方やボールを使った遊び方等に関する講習を実施しています。現在、県内全ての学校に配布している体育指導資料には、投力向上に向けた指導内容を掲載しており、今後、更に内容の充実を図り、各学校が積極的に活用できるよう周知してまいります。 今後も、これらの取組の効果を検証するとともに、児童生徒のボールを投げる能力を一層向上するための方策を研究するなど、総合的な体力の向上に努めてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 成果が出るのを期待しております。 それでは最後に、八、地元問題について。 (一)上南畑産業団地について伺います。 ア、進捗状況と今後の見通しについて。 現在、企業局が富士見市内で進めております最も大きなプロジェクト、上南畑産業団地建設の現在の進捗状況と今後の見通しについて、公営企業管理者にお伺いしたいと思います。       〔北島通次公営企業管理者登壇〕 ◎北島通次公営企業管理者 八子朋弘議員の御質問にお答え申し上げます。 富士見上南畑地区産業団地は、富士見市内の国道二五四号バイパス沿線において、面積約十九ヘクタールの産業団地を総事業費百二十四億円で整備をするものでございます。 現在の進捗状況でございますが、これまでに九九・二パーセントの用地を取得しており、完了に向けて交渉を継続しているところです。また、造成工事着手に向け、地元富士見市と協議をしながら、道路や調整池などの実施設計についても並行して行っております。 今後の見通しでございますが、まずは、用地取得を完了させるとともに、地元の皆様の御理解をいただきながら、造成工事や立地企業の募集に向けた準備を順次進めてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問に移ります。 イ、富士見市と進出企業との防災や環境分野における協定等について。 富士見市では将来、進出した企業と防災や環境分野等について協定を締結したり、取組を求めることにより、雇用や税収アップのみならず、街の魅力を高めていきたいとの思いがあります。企業局として、富士見市の取組を後押ししていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。公営企業管理者の答弁を求めます。       〔北島通次公営企業管理者登壇〕 ◎北島通次公営企業管理者 御質問にお答え申し上げます。 企業局では、産業集積による地域経済の発展や新たな雇用の創出など、地域の活性化に貢献することを目的として、地元市町村と連携し、共同で産業団地を整備しております。また、県のSDGs施策や働き方改革施策などを推進する、持続可能な社会の実現に貢献する整備を行うことで、産業団地の魅力向上に努めております。 富士見上南畑地区産業団地につきましても、共同事業者である富士見市から、環境分野としてゼロカーボンシティの実現に向けた取組や、防災分野における洪水対策の向上などの御要望をいただいており、進出企業の協力が不可欠と感じております。企業局といたしましては、企業の選定段階から協定の締結や取組を働き掛けることで、富士見市をしっかりと後押ししてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 是非よろしくお願いします。 次の質問に移ります。 (二)国道二五四号バイパスについて。 ア、和光富士見バイパスの進捗状況と今後の見通しについて。 国道二五四号和光富士見バイパスの国道四六三号から県道さいたま東村山線までの区間については、現在、地権者との交渉をはじめ、部分開通に向けて鋭意努力をしていただいているかと思いますが、富士見市では国道四六三号との立体交差の橋桁が架かって以来、なかなか開通に至っていないことから、多くの市民の皆様より「工事はどうなっているのか」と御質問をいただきます。 そこで、この区間の現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いしたいと思います。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 八子朋弘議員の御質問にお答え申し上げます。 国道二五四号和光富士見バイパスは、和光市内の国道二九八号から富士見市内の国道四六三号までを結ぶ延長約六・九キロメートルの県内道路網の骨格を形成する幹線道路です。 これまでに国道二九八号から県道朝霞蕨線までの約二・六キロメートル区間が開通しており、現在は、県道さいたま東村山線から国道四六三号までの約一・四キロメートル区間を重点的に整備しております。この区間の進捗状況ですが、令和四年一月に事業に必要な用地を全て取得することができました。現在は、軟弱地盤を改良する工事を行っており、地盤改良が完了した箇所から順次、側溝や舗装など工事を進めております。 今後は、令和五年春の開通を目指し、横断歩道橋などの安全施設工事や県道さいたま東村山線の交差点改良工事など、残る工事を進めてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 次の質問に移ります。 イ、和光バイパスの進捗状況と今後の見通しについて。 和光富士見バイパスが国道二九八号と交差する和光市松ノ木島交差点から先、都内方面へ延伸する和光バイパスについても期待が大きいものがあります。この道が都内に一本でつながることにより、富士見市内で現在進んでおりますバイパスの沿道に位置する上南畑産業団地の価値も更に高まることが予想されます。 こちらの事業の進捗状況と今後の見通しについても、県土整備部長にお伺いしたいと思います。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 御質問にお答え申し上げます。 国道二五四号和光バイパスは、県道練馬川口線から和光市内の国道二九八号までを結び、和光富士見バイパスに接続する延長約一・六キロメートルの幹線道路です。 令和二年三月の都市計画決定を経て、令和三年三月に地元説明会を開催し、令和三年度には地元の皆様の御協力を得て路線測量に着手しました。令和四年度は、引き続き路線測量を進めるとともに、このバイパスの約一・一キロメートルの区間が土地区画整理事業の予定地に含まれることから、地元和光市と調整しながら事業を推進してまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) こちらについても、是非よろしくお願いいたします。 次の質問に移ります。 (三)水谷調節池の整備について。 柳瀬川の洪水を防ぐため、現在建設が進められております水谷調節池。富士見市では第六次基本構想・第一期基本計画の中で、この水谷調節池については、調節池の整備に合わせた周辺整備を進め、市民の方の憩いの場所とすると定めております。 用地買収が完了し、令和二年より工事がスタートしておりますが、近隣住民は一日も早い完成を待ち望んでおります。現在の工事の状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 御質問にお答え申し上げます。 一級河川柳瀬川は、全長約十九・六キロメートルの河川であり、現在、最下流部の新河岸川合流点から清柳橋までの約五・七キロメートル区間で河川改修事業を実施しております。このうち、水谷調節池の現在の工事状況ですが、令和三年度からは調節池の整備に必要な軟弱地盤対策に着手しており、令和四年度以降も継続してまいります。令和五年度からは、排水樋管などの構造物の工事に着手し、さらに、軟弱地盤対策の完了が見込まれる令和六年度以降に調節池周囲の築堤などを実施する予定です。 今後も、国の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を最大限活用し、早期完成に向けて着実に事業を進めてまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) それでは最後に、(四)新河岸川の渋井水門増設による南畑排水機場の運用について伺います。 新河岸川の増水対策として、新河岸川と荒川を結んでいるびん沼川に水を流す渋井水門が一基から二基に増設される工事が間もなく完成する見込みです。本体工事が完成し、実際に大雨が降り、新河岸川が増水して二基の渋井水門が稼働した場合、びん沼川にこれまでの倍のスピードで新河岸川の水が流れ込んでくることになると思います。 令和元年東日本台風の際には、びん沼川の水がいっ水したことから、周辺住民の皆さんは南畑排水機場の効果的な運用を求めております。南畑排水機場を管理する国土交通省との調整になると思いますが、びん沼川の水を荒川に排出する南畑排水機場の運用はどのようになっていくのでしょうか、県土整備部長にお伺いいたします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 御質問にお答え申し上げます。 新河岸川の洪水は、その一部を渋井水門から新河岸川放水路、びん沼調節池を経て、国が管理する南畑排水機場から荒川に排水する計画となっております。 平成二十九年の台風第二一号の大雨では、新河岸川本川の水位が高くなったことにより、支川の浸水被害が発生しました。このため、県では本川の水位低下を目的に、新河岸川放水路へ洪水を確実に流せるよう、渋井水門の増設を行っております。また、令和元年東日本台風を受けて実施したびん沼川のいっ水対策工事は、渋井水門の増設にも対応しております。本年五月には水門本体が完成し、各既存施設が連携して機能を発揮できるようになりました。南畑排水機場については、これまでと比べて運転時間や運転頻度に変化は生じるものの、現行の操作規則のままで運用できることを国と確認しております。 今後とも、国と連携して渋井水門と南畑排水機場の適切な運用を図り、流域の浸水被害の軽減に取り組んでまいります。 ◆十五番(八子朋弘議員) 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる)          ---------------- △休憩の宣告 ○武内政文副議長 暫時、休憩いたします。午後二時三十一分休憩          ----------------午後三時一分再開 出席議員    八十六名     二番    三番    六番    七番     八番    九番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十五番  八十六番  八十七番   八十八番  八十九番   九十番  九十一番   九十二番  九十三番 欠席議員    一名    六十番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○中屋敷慎一議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○中屋敷慎一議長 質疑質問を続行いたします。 三十三番 木下博信議員       〔三十三番 木下博信議員登壇〕(拍手起こる) ◆三十三番(木下博信議員) 南第一区、草加市選出の木下博信です。自由民主党県議団から貴重な質問の機会を頂戴し、中屋敷議長から発言のお許しをいただきましたので、順次通告に沿って本日三人目、お疲れの時間帯、節電対応で暑い中ではございますが、より良い、暮らしやすい埼玉に向けてのお答えを期待し、質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず、一項目め、百五十年後の埼玉県についてです。 知事は、予算特別委員会で「本県の将来像を描く新たな百五十年に向けた第一歩を記す年」と述べられ、埼玉県のホームページでもそのように記述されています。今存在する課題の解消は大切です。しかし、そこのみにとらわれていると、将来に向けて準備する、仕込むことがおろそかになってしまいます。ですので、知事がおっしゃるように百五十年先、遠い先を見据えて今を考えるのは大切なことです。だからこそ、その百五十年先を見据えるに当たって、以下に四点の質問をさせていただきます。 (一)百五十年後の埼玉県についてです。 百五十年後も埼玉県の枠組みがあるのか、あるべきなのか、あるのが当たり前というところから考えて大丈夫かということです。 明治元年以降、大宮県、浦和県、川越県、忍県、岩槻県、入間県、熊谷県等々が生まれたり分割されたり統合されたりして、一八七六年に現状の埼玉県の範囲が確定して今に続いています。しかし、この百四十六年間、変化がなかったからといって、この先百五十年間も変化がないとは決まっていません。道州制が導入されたり、市町村合併に続いて都道府県合併が行われたりすることもあり得るかもしれません。そのときに埼玉は、千葉や神奈川と一緒に丸ごと東京となり得るかもしれないし、東京と合併するエリアと群馬や茨城と合併するエリアに分かれているかもしれません。 百五十年前と現在を比べたら、そのぐらいの大幅な状況変化がないとは言い切れません。どころか、そうやって変化していくべきなのかもしれません。 そこで、知事に確認させていただくのですが、知事が百五十年後の埼玉と言及するに当たって、このままの埼玉県をイメージしているのか、さきに述べたような様々な可能性を含んでいるのか、そのお考えをお聞かせください。 ○中屋敷慎一議長 三十三番 木下博信議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 木下博信議員の御質問にお答え申し上げます。 昨年、埼玉県が誕生し百五十周年を迎えるに当たり、私が「新たな百五十年」と申し上げたのは、これまで埼玉県が経験してきたことも踏まえではありますけれども、現在、大きな転換期に差し掛かっているという意味でございます。例えば、埼玉県は過去百年にわたって人口が増え続けた、ただ一つの県だそうであります。しかしながら、早晩、我々は恐らく違う想定をせざるを得ないといった意味でございます。 なお、埼玉県令和四年度当初予算については「新たな百五十年に向けた挑戦」として編成を行いましたが、埼玉県の誕生当時は入間県と分かれてのスタートでしたが、一八七六年にほぼ現在の区域になり、その後、現在に至っております。これからの百五十年の間に、道州制の導入や都道府県合併が行われる可能性もあるでしょうし、日本を含む世界のあらゆる状況変化などにより、我々が思っている以上に大きな変化が起きている可能性もあります。一方で、香川県が愛媛県から分離して以来、戦後の米国による沖縄県の統治を除けば、この約百三十年間、現在の四十七都道府県の枠組みは変化なく続いております。 こうしたことから、現時点で百五十年後を正確に見通し、今の埼玉県の枠組みがあるのか、あるべきなのか、想定することは非常に困難です。今後の大きな変革については、常にアンテナを張り、道州制や合併などの兆しが見えたときには、ちゅうちょなくこれに対応すべく施策を考えていく必要があると考えます。 他方、現時点では、埼玉県5か年計画でもお示ししたとおり、二〇四〇年を見据え、超少子高齢社会への対応や生産性の向上といった新たな百五十年へのスタートとなるこの初期に不可欠な施策を着実に進めることが、変化に対応し、未来に対応するための必要な基盤づくりになると考えます。 ◆三十三番(木下博信議員) 基本的な認識は、そう変わらないのかなというふうに思いました。変化に対しては十分に備える中で、今なすべきことをなしていくということで、しかし、その変化が生まれるようなことであれば、ちゅうちょなく対応していくということが言われていたかと思います。そこを踏まえて、二番目に進ませていただきます。 今あるべきことにもしっかりと対応していくと考えたときに、(一)の質問と関連してくるんですが、実は埼玉県という行政境、今の形です。これを所与のものとして、県の未来を描くことに実は無理があると私は感じる部分があります。本庄、深谷など群馬との連携エリア、所沢など都西部との連携エリア、朝霞など練馬、池袋との連携エリア、川口など板橋、上野、池袋との連携エリア、草加、越谷など足立区、上野との連携エリア、八潮、三郷など足立、葛飾、江戸川、流山との連携エリアなど、埼玉県というのを見ていくと、県で区切られて終わっていないわけです。全て近隣のところとつながった中で、県民の暮らしや経済が成り立っています。ということを考えると、そのエリアを踏まえていなければ、未来を考えていくことはできないのではないでしょうか。 埼玉県だけではない、隣接の生活圏、経済圏、文化圏を含んで、それぞれのエリアの今と未来を描く必要があると考えます。群馬、千葉、茨城、東京との地生活圏を基に埼玉県内だけではなく、各エリアの将来像を描かないと、現実とずれて非効率というか、無駄を生んでしまうことすらあると思います。この現実を知事はどのように捉えているでしょうか、お考えをお聞かせください。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 都道府県といった行政圏は国の議論の中で決定され、知事としての権限も国の定めるところによっていると承知しており、これに基づき責任を果たすことが私の法に基づく基本的な役割であります。 他方で、埼玉県は東京都に隣接し、人口増加が続く地域や、郊外に市街地が点在し、都市と田園が共存している地域、そして、豊かな自然に包まれた魅力的な地域などがあり、多様性に富んでおります。こうした中、周辺の都県と隣接する地域においては、生活圏に基づき必要に応じて隣接都県と連携した取組を行っています。 例えば、隣接県との協定に基づき、草加市などの県南東部の方は、松戸市など千葉県の公立高等学校も志願することができる取扱いとなっています。また、利根川右岸に位置する茨城県五霞町に対しては、埼玉県企業局から水道用水を供給しております。 他方、埼玉県5か年計画では、県内を十の地域に分けて、地域の特性や現状を踏まえ、地域ごとに異なる課題に対して地域別施策として示しています。この中でも、例えば、東京都と接する南部地域では二十代の転入超過数が多い状況を踏まえ、保育所などの整備促進や子育てしやすい住環境の整備といった取組を進めております。 このように、行政圏の想定は行わないまでも、実生活圏の状況を勘案し、最適な施策を展開することが重要と考えます。 ◆三十三番(木下博信議員) 国に定められた範囲で、その中でやるのが知事の責任だと、それはそのとおりです。 一方で、隣接県との協定があって、こうやって考えていますよという御答弁をいただいたんですが、一点だけちょっと再質問させていただきます。 高校、確かに県境だと私の高校にも野田から来ていたり、野田に行っていたりとか、昔から続いていますけれども、という部分だけではなく、やはりある意味でいうと、隣の県とこうやって、こうやって、こうやって、周りずっと都道府県と連携しながらブロックがあって生活が成り立っていて、その中で埼玉県という部分が切り取られていると。ブロックの連合体が埼玉県だというふうに考えていくと、今の近隣との協定とかいうだけではなく、少し言っていただきましたけれども、実生活の状況を踏まえてということ、地域の文化、経済というもの、これはやっぱりより強く意識して、5か年計画とか見ていてもそれぞれの圏域ありますが、やはり埼玉県という中にとどまっている気がします。 視点としては、近隣とのブロック、経済・文化・生活圏というものをより意識していただきたいと感じるんですが、その辺について知事はどのように見ていますでしょうか。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 地域的な特性につきましては、先ほど埼玉県5か年計画で県内を十の地域に分けて、それぞれに検討しているというお話を申し上げました。他方で、都県と隣接する地域においては、私もそれぞれの圏域において実生活圏を想定した上で連携した取組を行うというのは、行政の立場からも必要だというふうに考えています。 他方で、実生活圏につきましては、このようにしっかりと生かす場合と、それから、先般の新型コロナウイルス感染症において、県の南部においては多くの方が通常は、例えば、東京の病院に行っているとか、あるいは、北部においては群馬の病院に行っているというのがありましたが、しかし、一旦感染症が起きると、県都境を越えることができなくなり、結果として行政圏の中、定められた行政圏、実生活圏とは別の行政圏の中で対処しなければいけないということになってまいりますので、それぞれの状況と実生活圏の在り方と行政、この三つをしっかり視野に入れながら検討をすることが私ども行政には求められていると考えています。 ◆三十三番(木下博信議員) 次に進ませていただきます。 (三)、今言ったような隣接都県との生活・経済・文化圏の存在を明確に認識すると、いろいろな施設の県内への均等配置、これが適正かどうかというのが問われるようになります。 県議になって、初めて私は県立近代美術館に行きました。東松山のこども動物自然公園のカピバラ、これ見たくて見たくて仕方ないんですが、いまだに行ったことはありません。東部地域にはこういう施設がありません。あったら有り難いなという思いはありますが、なぜ、浦和の県立近代美術館や東松山のこども動物自然公園に行かないのかというと、電車の乗り換えなしでも行ける、もっと近くに国立美術館や上野動物園があるからです。 ですから、地元の県民からは県の施設が少ないという指摘は受けても、美術館や動物園を欲しいという声は出てきません。こういう現実からも、埼玉県という行政境で見るのではなく、生活・経済・文化圏で埼玉県がその圏域に対して何をしていくのかと考える必要性があると感じています。 そして、そうやって隣接都県にあるものも含んで県の施設の均等配置を考えていくと、隣接都県と共有することで、そこには必要がない施設への投資分は何か別のものに振り向けていかなければ、県民に対する適切な投資配分が成り立たなくなります。それは施設だけでなく、道水路や教育など、県のあらゆる施策に振り向けることが可能なはずです。 隣接都県も含んでの圏域で県の施設の適正配置を考えること、そして、その結果として県の投資の適正配分の在り方を考えてみることについて、知事はどのようにお考えになりますでしょうか。よろしくお願いいたします。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 議員におかれましては、是非、県の美術館や動物園にも行っていただきたいとは思いますが、しかし、これらの施設は隣接する都県の施設を利用される県民も実際多いというふうに思います。県の施設を設置する際には、地域特性、実現の可能性もさることながら、目的や有事の際をはじめとした利便性などもしっかりと見極めて判断する必要があると思います。 と申しますのも、投資に際して近県を活用できることがあるという、非常に重要な理由だとは思いますけれども、しかし、先ほど申し上げたとおり、例えば、埼玉県に居住しながらも近県の病院を利用している県民でありながらも、有事の際は県境を越えることができないために、結果としてこの有事を考えると、県の医療施設で対応することを資源の配分というよりも、有事を考えて危機管理の立場で考える必要がございます。したがって、あまねく全ての投資を生活の実生活圏で見るというよりも、危機管理も含め様々な想定を基にして、優先度や議員御指摘の県の施設の適正配置、これの両方をにらみながら将来の施設の在り方を検討することが重要であると考えております。 また、近い将来、先ほど百五十年の話がございましたが、デジタルトランスフォーメーションなどが進展すれば、デジタル技術によって施設の配置など場所による制約もなくなるかもしれません。限りある財源の中で県民ニーズに応えていくために、新たな技術や生活様式も視野に入れつつ、多様な側面を想定しながら、引き続き適切な施設の整備や予算執行に努めてまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 是非、そういう点も踏まえながら投資配分をよく見ていきたいと言っていただいていますので、更にその点留意いただきながら、それぞれの地域の配分を考えていただけることを期待して、次の(四)県庁の置き場所について質問を進めてまいります。百五十年後の埼玉県については、最後の質問になります。 こうやって埼玉県の多様性、隣接都県との生活・経済・文化圏、道州制や都道府県の合併再編の可能性などを考えてくると、県庁のある場所はどうあるべきかということもやはり考えなければならなくなります。 既に、先週の一般質問で日下部議員が質問され、知事も県庁の建替えに当たっては検討委員会の中で現在地ありきじゃなく、自由な発想で検討をと答えられていましたが、それは現在の浦和も含め、他の地域への移転も否定しないということであると理解しながら聞いていました。 そこで、その認識から聞かせていただくのですが、浦和の現在地も含めてという自由な発想から、これまで述べてきた埼玉の歴史と生活・経済・文化圏という各ブロックのことを考えていくと、まず現在地のままでいいのか、他の地域で新たに建てて移転するのがいいのかということを議論して決定すべきなのではないでしょうか。そこを明確にしないで、DXや役所の在り方の変化を踏まえて将来の在り方などと考えていくと、これを他の地域というふうに考えた場合、二重、三重に手順的、時間的ロスを生んでしまうと感じてしまいます。 県庁が移転するということになれば、その地域では新たな発展を生み出すことになり、県土の均衡ある発展につながります。まず、現在地での建替えか新設移転かを考えることの必要性、知事のお考えをお聞かせください。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 令和三年度の県庁舎再整備検討委員会において、デジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組むことの重要性が指摘をされております。 公共サービスのオンライン化が加速することにより、県民や事業者にとっては行政手続などのために訪れる県庁舎という概念が変化していくことが予想されます。また、職員の働き方についても、それぞれの事情に合わせて自ら働く場所を選択し、庁舎に訪れなくなる日常となるなど、職場としての県庁舎という概念も変化していくかもしれません。DXを更に積極的に進めていくことにより、県庁舎としての必要な規模や機能が変わるだけではなく、将来的には県庁の位置という意味合いも変わってくる可能性があろうかと思います。 このように考えると、議員お話しの現在地での建替えか新設移転かを判断する前に、まずは県庁舎再整備検討委員会において、DXや働き方の変革等を踏まえ、今後の県庁舎の在り方等について積極的に議論していただく必要があると私は考えます。 ◆三十三番(木下博信議員) 再質問させていただきます。 最初に浦和か、他の地域かということではなく、やはりDX、働き方という、先ほど関根議員の答弁にもあったところの確認をいただきました。 でも、今の答え方でいうと、まずはそこをやるけれどもということだったので、そうすると、そこの在り方、庁舎の方向性、どんな機能、どんなやり方になるのかって未来が見えてきたら、じゃ次に考えるのは本当にもう場所は、そういう機能で言ったらどこがいいのか、先ほど言ったいろんな、昔に小さい県があった、そのブロックごとの経済・生活・文化圏があると考えると、もう百五十年近く浦和にあったんだから、次は違うブロックで中心、県庁を置かせてもらおうと。次の段階ではもう位置の検討を始めていただけるという答弁にも感じたんですが、そう理解してよろしいでしょうか。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、県庁舎の在り方や、あるいは位置については、これは機能と同様にやはり重要なところがございます。先ほど申し上げたとおり、まず機能やDXの在り方を考えないと、県庁舎の意味合いや、例えば、県庁がどこどこにあるということの意味といいますか、これが全く変わってまいりますので、これをまずやりたい。 そして、県庁舎のあり場所というのも非常に重要だと考えております。そこで、今年度中に県庁舎の在り方の検討委員会において、県庁舎のあるべき場所についても、位置についても広く、これは自由に御議論をいただきたいというふうに現時点では考えているところでございます。 したがって、いついつまでに、例えば、県庁舎が浦和にありきか移るかとか、そういったことをこれ今、委員会でこれからやっていただくことでございますので、私がこの場で限定するつもりは全くありませんけれども、早いうちにその議論というものは解消していただきたいというふうに委員会にお願いをするつもりでございます。 ◆三十三番(木下博信議員) 早いうちに、その議論を解消いただけることを期待しながらということで、知事から御答弁いただきましたので、私もそこを期待しながら、二、性能発注の導入拡大に進んでまいります。 役所は様々な事業を民間に発注し、様々な仕事を民間に委託しています。本来は県が直接行うはずの仕事を民間にやってもらう。その方が専門性を生かして、より良いものをより低い県民負担で実現することができる。つまり、地方自治法にある最少の経費で最大の効果を生むことができるからです。 そして、そのための発注の仕方も、常により良いものを求め、試行錯誤、変化してきています。PFIや指定管理という今では当たり前になっているものも、二十年前にはほとんど存在していませんでした。より効率的に貴重な財源、税を生かしていくことを求め続けてきている結果であります。 そして、そうした新たな取組の一つとして、性能発注という手法があります。元々存在していた手法と考え方ですので、新たなものというよりも、もっと活用できるのではないかと再評価され始めたというのが正確な表現かもしれません。最近の事例で言えば、基本設計、実施設計を行い、管理・施工を発注直前に白紙に戻された新国立競技場、残された期間との兼ね合いもあり、性能発注の手法が採用され、オリンピック前に見事に完成させられました。 性能発注ならば、民間の持つノウハウ、技術を遺憾なく発揮することが可能ですが、役所を中心に基本設計、実施設計と進めて枠をはめ、施工のみを発注する形態では、施工者の持つノウハウ、効率的な技術などを生かすことが困難です。これは土木・建築だけでなく、通信システムや電気的インフラなど、様々な分野で言えることです。新国立競技場に関しては、空調の問題や屋根の有無など、この競技場についての問題点の指摘がなされる面もありますが、それはそもそもの性能の基本設定が存在しなかったことから発生していますので、性能発注そのものの問題点ではありません。 このような認識から、企画財政部長にお伺いいたします。 (一)性能発注で発生する課題と利点をどう認識されていますでしょうか、まず一点目として企画財政部長にお伺いいたします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 木下博信議員の御質問にお答え申し上げます。 性能発注とは、発注側が仕様の詳細を決める代わりに、達成すべき水準や性能を示し、受注側のノウハウや創意工夫を引き出す発注方法です。 性能発注の利点は、民間の技術や能力を活用してコストを抑え、優れた品質を確保できることで、最少の経費で最大の効果を上げる効果的な手法の一つと言えます。一方、性能というのは定量化が難しく、事業者からの提案を公平かつ客観的に比較、評価する手法が確立していないことなどがネックとなり、本県における導入実績は年間数件程度にとどまっております。 また、性能発注の場合、高度な技術やオペレーション力を持つ規模の大きな企業が有利になるという傾向があり、その懸念もございます。このため、性能発注の実施に当たっては、中小企業の参入機会の確保についても十分配慮した上で導入をすることが必要と考えます。 ◆三十三番(木下博信議員) (二)今後の取組として伺おうと思っていましたが、今導入するに当たっては中小企業がきちんと参加できるようにというような、半分入ったような答えをいただいてしまいましたのですが、改めて確認させていただきます。 今言った利点、そしてまた、デメリットもある、そして中小企業について、それが十分そこが受注できるようにということも踏まえて、取り入れるやり方というのも、考えていけば生み出せるんじゃないかなと感じております。ですので、やはり企画財政部として有効と思われる点を生かして、今言ったデメリットと思われる部分をクリアしながら、どうやったらできるのか、試行検証、これはやっぱり各部局でやるよりも、企画財政部が主導しながら、どうやったらできるんだろうかということを試行検証していく必要があると思うのですが、いかがでしょうか。企画財政部長に答弁をお願いいたします。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 御質問にお答え申し上げます。 性能に関する客観的な評価方法の確立など解決すべき課題もございますが、性能発注は新たな価値を生み出すデザイン思考にも通ずる発想であり、官民のリソースを生かすツールとして活用する余地は大きいと考えます。 ただし、これまで、どのような事業分野ならメリットを発揮しやすいかといった観点からの研究は行っていませんでした。御指摘いただいた点も踏まえまして、導入が進まない理由はなぜか、どうすれば幅広い層の企業にも参加していただけるかなど、調査分析をした上で性能発注の効果が見込まれる分野への導入について研究してまいりたいと思います。 ◆三十三番(木下博信議員) 正にそのメリットを生かしながら、どういう課題があるか、しっかりと研究していくということでしたので、やはりこれは企画財政部がやらないと現場ではできないと思いますので、御答弁どおりしっかり研究、検討していくことを期待して、次の三番に移ります。 三、県教育委員会の教職員配置の充実についてです。 本年四月上旬に、全国で教員が不足しているとの報道が多く見られました。文科省のデータの発表があったことを受けてですが、小学校教員の年度当初の不足数、埼玉県が上位三位に位置付けられていました。 私は、これまでも本会議をはじめ様々な場面で、年度途中の担任の交代、それも臨任で初担任という事態まで生じてしまっている現状を改善する必要性を指摘してまいりましたが、この四月に全く変わらない状況が報道されたことを受けて、埼玉県内の児童生徒のために教育現場の負担を軽減し、「教員になるなら埼玉で」と言われる状態を作り出す第一歩として、以下に質問させていただきますので、御答弁をよろしくお願いいたします。 (一)県費負担教職員の配置についてです。 まず、県の単独費で前述のような状態を改善するために必要な、臨任ではない、本採用の教職員を確保しておくことで、現場の市町村教委が想定外の病休、退職時に苦悩することのないよう、結果として想定外の担任交代のときに経験豊富な教員をその後任に当てて、児童への負担を最小限にとどめる方策を取る必要があると考えるのですが、いかがでしょう。 令和三年度だと、県内の小学校で二十九人、中学校で十二人の年度途中の退職者があったようです。中学でも防ぐべきですが、担任の想定外の途中交代が大きく影響してしまう小学校分だけでもと考えると、三十人ほど確保しておくことで最悪の事態に備えることが可能になります。これは決して不可能な数字とは思えません。教育長のお考えをお聞かせください。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 木下博信議員の御質問にお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、教員不足の状況は教育現場に負担が生じ、特に年度途中における病休や休職のほか、育児休業等により教員が欠員となることは、児童生徒への影響も大きい問題と重く受け止めております。そのため、県では、まずは現に生じている欠員の解消を目指し、退職者数の動向なども踏まえ、令和五年度における小学校教員の採用見込み数を昨年度より百名増やして八百五十名とすることといたしました。また、年度途中に発生する欠員を速やかに補充するため、臨時的任用教員の募集について電子申請による応募手続も用意するなど、希望者が応募しやすくなるような仕組みも導入いたしました。 議員御提案の、想定外の欠員に備え臨時的任用ではない教員をあらかじめ確保しておくことは困難な状況ですが、育児休業など欠員が生じることがあらかじめ分かる場合には、速やかに欠員の補充ができるよう人事配置を工夫することなどについて検討してまいりたいと考えております。 もとより、教員不足は全国的な課題でもあることから、国に対し、教員のなり手を増やす取組や現状の教員不足に対する的確な施策とともに、教員定数自体の見直しについて強く要望してまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 次に進ませていただきます。 (二)教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)の充実強化という点です。 現場の教員の様々な負担を軽減していこうと、教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)といわれる職員の配置が行われています。教員が子供たちに向き合う、必要なことに集中できるようにするために、効果の見込める施策であると思います。 そうであるものの、国からの財源を生かしたこの施策、その財源の範囲内で行っていることで、県内全校に配置するには至っていません。そして、その状況をカバーしようと、年間の勤務日数を減らして配置できる学校を増やしていくという苦肉の策を取られています。効果があるから、多くの学校に配置したい。しかし、財源が限られているから一校当たりの日数を減らして配置校を増やしているという現状であると解します。 そのように効果が認められるのであれば、全校配置、さらには、大規模校には複数配置ができるよう、国からの財源が不足する分は県で負担して全校に配置していくということは考えられないのでしょうか。教育長のお考えをお聞かせください。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 県では、平成三十年度から教員業務支援員、いわゆるスクール・サポート・スタッフの配置を開始し、年々これを拡充し、今年度当初では四百十七校に合計四百三十九人を配置しております。 教員業務支援員を配置した学校では、新型コロナウイルス感染症の対応のため、教員と一緒に児童生徒の朝の健康観察や体温測定、給食前の教室の消毒、あるいは日常の電話対応などを行うことにより、教員の負担が軽減され、授業の準備や教材研究など、本来の業務に専念できるようになってまいりました。一方で、処理に時間を要する児童生徒の成績管理などの事務について、多くの市町村で校務支援システムが導入されてきており、ICTの活用による事務の効率化が進められてきております。 県といたしましては、市町村におけるこうしたICTの活用による業務の効率化の状況もよく見極めながら、マンパワーが必要な校内行事のサポートや学校の環境整備などについて、教員業務支援員の有効な活用方法を引き続き検討し、その効果的な配置に努めてまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 独自の財源を生かして配置はということで聞かせていただいたんですが、マンパワーを有効活用してできるだけ頑張りますと、苦しい答弁だと思いながら三番に進みます。 (三)教員業務支援員の待遇に関してです。 今、教育長が答えられたように大変役に立って、より多く配置したいと言っている状況でいらっしゃるようですが、その支援員の処遇、現状では国の設定している補助上限が一千円での雇用ということです、時給ですね。その果たすべき役割、効果的に仕事をしていただき、教員の負担が軽減できるレベルの仕事をすると考えると、現場の状況把握、教職員とのコミュニケーション、これが円滑になされなければなりません。作業そのものはシンプルかもしれませんが、そのシンプルな仕事を教職員から切り出してスムーズに実施して戻していく、これは単純な作業ではありません。そう考えると、国の設定している補助上限が一時間当たり一千円だからといって、その契約で雇用して成果を生んでいこうとするのには無理があるのではないでしょうか。 より現場で有能な支援員の方に活躍していただくために、この処遇も国の上限を上回る金額を県費で負担し改善していくことで、結果として教員の負担が軽減され、子供たちにより良い環境を提供できるようにできると考えるのですが、教育長のお考えお聞かせください。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、教員業務支援員の待遇を改善することは、より良い人材の確保につながるものと考えます。一方で、こうした教員業務支援員の待遇については、一義的には制度を構築した国において、条件の異なるそれぞれの地域においても効果的な活用につながるよう、その改善を図っていくべきものと考えます。 教員業務支援員の待遇を改善することは効果的と考えますが、限られた財源の中で県単独で補助上限を上回る報酬を措置することは困難な状況にございます。県といたしましては、現行の国の制度について、より教員の負担軽減につながる制度への改善を求めるとともに、教員業務支援員の質の向上や効果的な配置に努めてまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 今の(一)、(二)、(三)も含めて確認するような(四)番の質問になりますので、進ませていただきます。 県の独自予算が必要な提案、(一)、(二)、(三)とさせていただいてまいりました。教育長も御答弁されているとおり、埼玉県全体で潤沢な予算があるという状況にはないので、その財源を確保することが容易でないのは分かります。 しかし、現場で悲しい体験をさせられてしまう、途中で予定外で退職してしまう先生がいて担任が変わってしまう、こういう児童生徒を埼玉県内でなくしていくために、そして、教員の負担を軽減して教員の善意と使命感に頼った職場と言われない埼玉県をつくるために、教育現場への独自支援が充実しているとして教員志望者がたくさん集まってくる埼玉県にしていくために、国基準のみならず県単位でできることを行っていく、これは大変重要なことだと感じます。 県独自の財源を確保して進めていくことについて、改めて教育長のお考えをお聞かせください。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 議員お話しの教員の配置拡充や教員業務支援員の充実強化に関しましては、抜本的には国が定める教員定数の改善を図ることが重要と考えます。その上で、本県としても限られた財源の中で自ら創意工夫し、県独自に課題の解決を図る方法を検討し、優先順位を考慮しながら予算を確保していくことも必要と考えます。 例えば、今年度から、教員の志望者を増やし、優秀な教員を確保するために、大学生を対象に学校現場で子供と関わる楽しさや教える楽しさを体験する、更には実践的な指導力を身に付ける彩の国かがやき教師塾を実施するなど、県単独事業にも取り組んでいるところです。 私は、埼玉の未来を担う子供たちを育てる教育は、極めて重要なことと認識しております。議員御指摘のとおり、課題は山積しておりますが、教員が生き生きと意欲を持って教育活動に当たり、子供たちが明るく元気に過ごせる学校づくりに向けて全力で取り組んでまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 県独自のやれることも頑張るけれども、財源も厳しいから様々な努力をするという御答弁をいただきましたので、今度は知事に、(五)県独自の体制構築への財源確保についてということで伺わせていただきます。 今の教育局は、本当に現場でいろいろな形で与えられた中で努力をして頑張っている状況でございます。一方で、国基準範囲内で教職員配置を行っていては、これまでも指摘しているとおり、運が悪いと年度途中で産休・育休等以外の想定外の事態で小学校の担任が交代、臨任の方に代わってしまうという事態が発生しています。この状態は、教育環境の最低限が確保できていない状態とも言えます。全くもって望ましい状態ではありません。 この状態の改善に向けて、教育長が言ったとおり国への要望をしていくことも必要ですが、その実現までの間、県が独自に展開すべきもの、特に人を確保するということについては財源を確保していくべきだと考えます。そして、それを確保するのは、やはり教育局だけではない知事の判断が必要だと思います。知事、どのようにお考えになりますでしょうか。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 議員御指摘の教員不足の現状につきましては、全国的に問題となっており、本県におきましても教育活動を円滑に進めていく上での大きな課題となっています。こうした教員不足の背景には、教員定数自体の問題や教員の役割拡大による負担増大といった問題など、財源のみならず様々な要因があると考えております。 県といたしましては、国の責任において教員定数の改善を図るとともに、先ほど申し上げたように様々な要因がある以上、教員不足の解消に向けた施策の充実を図ることが必要と考えるので、やはり国に対し強く要望することが必要と考えています。 今後とも、財源に関しましては限られてはおりますが、埼玉の子供たちの教育環境をより良いものとするために、県として実施すべき事業について県教育委員会と十分に議論をしたいと思います。 ◆三十三番(木下博信議員) 再質問させていただきます。 様々な努力はもう本当に現場でやっていて、教育長が先ほど答えているのを聞いていて知事も感じていらっしゃると思います。そういう中で、でも先ほど言った、もう担任が途中で変わってしまった、想定外で初臨任、初担任というのが現場で生じていることを考えると、これはやりくりの努力ではなくて、やっぱり人を配置する必要がある。それは国の制度に改善を求めていきつつ、それが間に合わないのでは、やっぱり県が独自にやっていくという必要があるのではないかと考えます。 これまでの質問でもそうですけれども、保育士だ、介護士だ、幼稚園の奨励費だ、また、今日も医療費の話とかいろいろ出ていました。やっぱり県が独自にやるべきだというものが多くある、それは分かります。 私は、この教育については絶対やっていただきたいと思うわけですが、どの分野においても知事はやはり今みたいに国に言うものだという視点で、現場を持っている自治体としては国に言ってやってもらわないと、これはやっぱり最終責任者として自治体がやるという判断、私はここで示してほしいですけれども、いろんな分野で知事が明確に示して、埼玉県はこういうところは頑張るんだということを、そういう姿勢、是非お見せいただきたいと思うんですが、再質問の範囲の中で申し上げますので、そういう思いをこの分野でお示しいただけることはできないのか、再質問させていただきます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 議員御存じのとおり、教育基本法におきましては、国と、そして地方自治体はという出だしで教育の責任を定めているところでございます。 先ほど申し上げた、また、議員からもこの分野にしっかりと力を入れろというですね、教員定数の改善や教員不足の解消に向けた施策の充実に関しましては、全国的な問題であり、国の責任において速やかに実現をする必要がある分野だというふうに思いますので、埼玉県だけ先行しても何ら解決にはならないと思います。他方で、埼玉県において先行事例として、もちろん検証をするということで国の責任において加配する場合には、私どもも協力をさせていただきたいと思っております。 いずれにいたしましても、私どもも先ほど教育長からの答弁もございましたけれども、様々な工夫を重ねていることもよく存じ上げているので、国に対する強い働き掛けを粘り強く行っていきたいと思います。 ◆三十三番(木下博信議員) 時間の兼ね合いがありますので、今の制度上の話をいただきましたが、以前、志木市では穂坂元市長がそれを乗り越えて単独でやって、やはり国を動かしていったという事例もございます。そういう気概を、早いうちに大野知事も示していただけるだろうと期待しながら、四番目に移らせていただきます。 四、障害者の文化芸術鑑賞機会の充実についてです。 平成二十八年、「埼玉県手話言語条例」が施行されました。その第十三条には、手話による文化芸術活動の振興がうたわれています。他の自治体には見ない、時代の先を読んだ条文です。 平成三十年には「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」が施行され、その法律の柱として文化芸術の鑑賞機会の拡大、文化芸術の創造の機会の拡大並びに文化芸術の作品等の発表の機会の確保が明記されています。鑑賞の機会の拡大とは、文化芸術の作品等に関する音声、文字、手話等による説明の提供の促進、その他文化芸術施設における環境整備等です。 そうした定めを受け、埼玉県は文化芸術の創造の機会の拡大並びに発表機会の確保は、他県と比べて先進的な取組をしてきています。彩の国さいたま芸術劇場の監督に就任した近藤良平さんが取り組んできた障害者ダンス「ハンドルズ」の公演、また、障害者アート企画展の開催などです。これは非常に良いことです。 しかし、鑑賞機会の拡大においてはどうでしょうか。先ほども述べましたが、自由民主党議員団が中心に取りまとめた「埼玉県手話言語条例」では、手話による文化芸術活動の振興が掲げられています。これは手話による芸術創作活動と併せて、誰もが見たいと思っている舞台を観に行ける手話通訳の配置も当然文化芸術活動の振興に含んでおります。 今年三月、東松山で公演された音楽劇「枇杷の家」では、舞台手話通訳が取り入れられ、通訳者が同じ舞台に立ち、俳優が発するせりふ、更には生バンドの演奏に合わせて歌った歌詞までも手話で表現されました。鑑賞された方からは、「舞台手話通訳者も表情や動きが舞台と一体となり、鑑賞をより楽しめる存在でした」との声が寄せられ、聴覚障害の方からは「手話通訳がサポーターではなく、出演者の一部となっていて良かった」等々、大好評であったとのことです。 ただ、このような舞台手話通訳は埼玉県では初めてのことであり、音楽劇については我が国でも事例がないようです。今、都内等で積極的に取り組んでいる劇場での対策でも、受付に手話通訳の配置やポータブル字幕機の貸出し等、また、目の不自由な方々向けに音声ガイド、舞台説明というのがほとんどで、舞台手話通訳は余り例を見ません。こうした状況を踏まえ、四点、順次質問をさせていただきます。 (一)現状の認識です。 障害者が見に行きたいけれども、観に行くことを諦めている現実をどう捉えていますでしょうか、福祉部長にお伺いします。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 木下博信議員の御質問にお答え申し上げます。 障害の有無にかかわらず、誰もが文化芸術の鑑賞の機会が与えられ、誰でも見ることができる環境を整えることが重要と考えます。 現状としては、一般的に文化芸術を鑑賞する際の障害への配慮は、まだまだ十分とは言えず、鑑賞を諦めている障害者も多いことと思われます。文化芸術に関係する事業者や関係団体の協力をいただきながら、鑑賞をする際の手話や音声、文字などによる説明や鑑賞しやすい環境の整備に一層取り組んでいかなければならないと考えております。          ---------------- △休憩の宣告 ○中屋敷慎一議長 暫時、休憩いたします。なお、再開は四時五分といたします。午後三時五十四分休憩          ----------------午後四時五分再開 出席議員    八十五名     二番    三番    六番    七番     八番    九番   十二番   十三番    十四番   十五番   十六番   十七番    十八番   十九番   二十番  二十一番   二十二番  二十三番  二十四番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    二名    六十番  八十五番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(橋本)   副知事(高柳)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○中屋敷慎一議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○中屋敷慎一議長 質疑質問を続行いたします。 ◆三十三番(木下博信議員) まだまだ十分じゃないとお答えをいただきましたので、(二)これまでの取組はどうであったかということ、見に行くことを諦めないようにする鑑賞機会の拡大についてどのような対策を取ってきているか。これは県民生活部長に対策の状況について伺わせていただきます。       〔真砂和敏県民生活部長登壇〕 ◎真砂和敏県民生活部長 木下博信議員の御質問にお答え申し上げます。 障害のある方などが劇場や文化会館などへ鑑賞に行くことを諦めている状況を解消し、誰もが文化芸術を鑑賞できるようにすることは大変重要だと考えます。 昨年度、彩の国さいたま芸術劇場で上演いたしましたシェイクスピア・シリーズでは、せりふが表示されるポータブル字幕機を無料で貸し出しました。また、芸術劇場や埼玉会館では音声が聞こえにくいお客様のために、舞台上の音声を補聴器に増幅して伝える装置を備えております。 県主催のコンサートでは、手話通訳や盲導犬、車椅子の利用など必要な配慮を行っているほか、昨年度からはオンライン配信をスタートし、来場が難しい方にも鑑賞していただけるよう取り組んでおります。そのほか、ボランティアのアーティストに御協力をいただきまして、社会福祉施設や病院に入所・入院し、外出が難しい方のために出張コンサートも行っております。 今後とも、誰もが文化芸術を鑑賞することができる環境づくりを、できることから着実に推進してまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) ありがとうございます。 今後とも更にということでお答えいただきましたので、(三)これまでの成果ということで、手話による文化芸術活動の振興について、県ではこれまでどのように取り組み、どのような成果があったと考えているか。また、福祉部長に聞かせていただきます。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 これまで県では、障害者を対象としたイベント等において手話通訳者や要約筆記者の配置等により、障害があっても参加しやすい環境を整えてまいりました。 障害者ダンスチーム「ハンドルズ」のダンス公演では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開会式・閉会式における手話通訳の総括を務めた武井誠氏が出演者と同じ舞台に立ち、手話で表現するなど、障害者の方も楽しめるようになっています。また、音を振動として体に伝えるボディソニックや、難聴者の聞こえを支援するヒアリングループを用いて、聴覚に障害がある方が楽しめる音楽コンサートも行っています。鑑賞した障害者の方からは、舞台や音楽の迫力を感じることができ、文化芸術のすばらしさを実感できたなどの声をいただいております。 今後、県では、条例の趣旨を踏まえつつ、手話通訳をはじめとしたコミュニケーション手段を有効に活用し、より多くの障害者の方に文化芸術の鑑賞の機会が拡大できるよう積極的に取り組んでまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) それでは、取り組んできていることを更に今後も積極的にというお答えをいただきましたので、(四)市町村への啓発に進みます。 県は、そういう形で積極的に取り組んで、まだ拡大をしていこうという思いを持ってやっていただいているわけですから、これは県だけじゃない、県内市町村も一緒にこの条例の趣旨を理解し、各市町村が同じように取り組んでくれる、そういう努力をしていただきたいと考えますが、これまでどのようにしてきたか。そして、今後についてお伺いします。福祉部長、お願いいたします。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 手話を必要とする方が安心して生活するためには、地域住民一人一人が手話について理解を深めていただくことが必要です。このため、県では毎年、市町村との会議等において県の条例の趣旨を説明し、理解の促進を図っております。 また、市町村との共催により、平成二十九年度から小学校や公民館などで初心者向けの手話講座や手話を使ったダンスなどを行う手話普及リレーキャンペーンを実施しています。このキャンペーンには近隣の市町村にも参加を求め、併せて情報交換会も実施し、各市町村においても手話言語条例を定め、地域における手話の普及啓発に積極的に取り組むように働き掛けを行っています。キャンペーンや情報交換会をきっかけに、小学生向けの教材を作成し、市内全域の小学生に配布して手話や聴覚障害者への理解を深める学習を進めている市町村もあります。 こうした事業を引き続き実施し、今後も市町村と連携し、手話による文化芸術活動の振興に積極的に取り組んでまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 積極的に取り組んでいきたいと、力強くお答えいただきましたので、そのとおり推進いただければと期待して、五、引きこもり支援について進んでまいります。 本年三月、「ひきこもり支援条例」が可決・成立しました。悪質な引き出し屋により県民が被害を受けることがないよう、自民党県議団で検討を重ね提案したものですが、ひきこもり状態にある方の支援については、本人の意思を尊重するということが明確にできたという側面もあります。そして、この基本認識に基づき、各施策を推進していくことが求められる中、条例の求める団体の支援、育成についてお伺いしたいところですが、制定間もない状況でもありますので、その取組体制などについて幾つか確認、提案をさせていただきます。 (一)全庁的な体制づくりです。 これまで、ひきこもり状態にある方への支援については、精神保健との関わりから保健所中心に位置付けられ、その流れで市町村が相談窓口を用意するようにとなった中で、市町村においても保健センターなど保健所関連の部署に位置付けられるケースが多く見受けられます。 一方、ひきこもり状態に至る過程、要因は多岐にわたり、保健所の関わる内容の方は存在しますが、ごく一部というのが現実です。教育環境との兼ね合いでは教育局、本人と家族を支援する民間団体との兼ね合いでは福祉部や県民生活部などなど、保健所、保健医療部の枠にとどまるものではありません。 そして、このように多くの部局にまたがる事案への対応ですが、本年三月十一日の予算特別委員会の保健医療部への部局別審査の中で、吉良議員が大変重要な指摘をされていました。引用しますと、「様々な複雑な要因が絡み合って、なかなか難しいんですというお話はよく聞きますけれども、複雑に絡み合っているからこそ、いろんな人が関わっているんだ、支援できるんだという発想に切り替えれば、非常に庁内はもちろん連携して、そして取り組めることってあるというふうに思います」という指摘です。 この吉良議員の指摘、すばらしい視点の変換だと感動して聞いていました。複雑だ、大変だ、何とかしなきゃという受け止め方を、これだけ多くの関係者がいて、その知恵と力を生かすことができるという発想の転換、すばらしいです。 この視点も踏まえながら、ひきこもり状態にある方の支援に向け、埼玉県庁としてどのような体制を築きつつあるのか、現状と今後の見通しについて、申し訳ないですが、現状では保健医療部長の御答弁をお願いいたします。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 木下博信議員の御質問にお答え申し上げます。 県では、ひきこもり支援のネットワークづくりのために、平成二十四年度からひきこもり支援連絡会議を開催しています。当時は、保健所と一部の民間団体など限られたメンバーでスタートしましたが、昨年度はNPO法人や自立支援機関、行政機関など保健、福祉、教育の幅広い分野から五十二機関が参加するなど、広がりを見せています。また、市町村におけるひきこもり支援体制の構築を図るため、市町村担当者研修会を実施し、市町村の相談体制づくりを支援しています。 さらに、埼玉県ひきこもり支援に関する条例に基づき、御本人や御家族の方に対して民間支援団体等の周知を行うため、市町村を通じてひきこもり支援に携わっている団体について調査を行っております。現時点で、新たに二十一の支援団体の情報が寄せられております。民間支援団体等の活動状況を把握することが、市町村におけるひきこもり支援に関するネットワークづくりなど、支援体制強化の一助になるものと考えております。 今後、更に新しくひきこもり支援に取り組む団体の掘り起こしや、市町村の人材育成・体制整備の支援を進めるとともに、複合的な課題がある事例の部局連携によるケース検討や支援事例の共有を図るなど、ひきこもり支援庁内体制の一層の強化に取り組んでまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) (二)に進みます。複合的相談体制の可能性です。 今、ひきこもり状態にある方の支援、各市町村、若しくは広域行政単位の範囲の中で一元的に相談ができ、それぞれ必要な支援につないでいける自治体をはじめ様々な団体、関係機関が連携するプラットフォーム、県内全域で目指せるものが理想だと考えています。 一方で、ケアラー支援に関しても単独の部署では対応できず、全庁的部局横断をしての取組が求められており、吉良議員が積極的にこの提案、確認を続けているところです。 私も、それに続けてやらねばと感じておりますが、こう考えてきて、ふと立ち止まりました。新たな支え合いが必要になる案件ごとに、総合的支援体制を立ち上げていくことが望ましいのかどうかということです。ケアラーだ、ひきこもりだ、貧困の連鎖を防ぐ対策だ等々、それぞれに体制をつくっていくよりも、こうしたものを総合的に新たな課題にも対応できる支え合える社会を実現するため、違う枠組みをつくっていく、高年者のものと同じようなものが必要なのではないかと感じています。 という視点で、ケアラーだけではなく、総合的な支援体制、そうしたものがどのようにやったら実現できるのかということを検討してみるお考えが知事にあるのかどうか、お聞かせください。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 県は、ヤングケアラー、ひきこもり、子供の貧困といった課題に対し、民間の活力を支えることで民間の力を最大限に引き出し、これまで必要な支援につなげるプラットフォームづくりを行ってまいりました。ひきこもり支援連絡会議は、参加機関が五十二にまで増えました。また、県が団体等とともに共同で立ち上げたこども応援ネットワーク埼玉には、団体、企業、個人など様々な方に御参加いただき、現在、会員は六百七十七となっています。過日設立したヤングケアラー支援推進協議会は、経済団体、子供の居場所づくり支援団体、医療機関、行政機関など十六団体の構成員で立ち上げました。 これからも一元的に相談先を照会でき、必要な支援につなげることができる、こうしたプラットフォームが更に強固で持続可能なものとなるよう、県の信用力を生かし、理解ある企業のお力添えをいただきながら各団体の支援に全力で取り組むつもりです。 他方で、それぞれの支援については相談の体制、プラットフォームとは異なり、個別のケースに則して丁寧に対応する必要があると考えるものの、相互に連携することにより相乗効果が現れる場合、このいずれもがあり得ますので、それぞれの強みを生かした包括的支援を目指します。例えば、人との関わりが苦手だった若者が子ども食堂の活動に携わることで自分の居場所を見つけ、人の役に立つ喜びを感じ、視野が広がるなどの好事例を積み上げてまいります。 こうした取組によって、ひきこもりをはじめとする何らかの複合的な課題を抱えている県民が、自分のニーズに合った支援をそれぞれ受けられるよう、誰一人取り残すことがない埼玉の実現を目指してまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 是非、御答弁にありましたような複合的な連携、それを深めていただけることを期待して、次に進みます。 六、自転車と横断歩道の啓発です。 横断歩道での歩行者優先での停車。県警本部で積極的に対応をいただいていることで、その必要性の認識が踏切での一時停止と同じように定着する方向で進んでいることを感じます。すばらしいことです。 しかし、その一方で、これが定着しているからこそ危ない問題が生じています。地域の交通指導員さんや町会の役員の方から、横断歩道に自転車が止まっているときはどうすべきかという疑問、質問が寄せられています。このままでは、歩行者と同様に保護されていると思って横断する自転車と、車両だから止まって待機するだろうと考える運転者との認識が混乱し、横断歩道上での自転車と自動車の事故が増加してしまう可能性があると危惧しています。 そこでお伺いします。 (一)横断歩道上での自転車事故の状況はどうなっているでしょうか。歩行者優先の停車の実行率が高まっている中で何らか変化が生じているかどうか、県警部長の御答弁をお願いします。       〔原和也警察本部長登壇〕 ◎原和也警察本部長 木下博信議員の御質問にお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、乗車中の自転車は車両に分類され、横断歩道付近で自転車に乗車したまま待機している方が存在する場合には、自動車の運転者はその動静に十分注意して車道を進行することが可能であります。他方で、自転車から降りた方が横断歩道を横断しようとしている場合には、歩行者として自動車の運転者はその手前で停止しなければならないこととされております。 県警察では、信号機のない横断歩道における歩行者優先ルールの定着に向け、これまでは歩行者優先KEEP三八プロジェクトや交通事故分析システムを活用した交通指導・取締り強化等の取組を推進してきており、最近ではこれが浸透し始めていると考えております。一方、御質問の横断歩道上での自転車乗車中の交通事故につきましては、自転車事故の多くを占める交差点内において年々減少傾向にありますが、令和二年以降は減少幅が縮小してきております。 県警察といたしましては、引き続き自転車は車両であるとの認識を一層高めていただくよう、ルールの周知を図るとともに、自転車指導警告カードを活用した指導警告活動、悪質・危険性の高い違反者に対する検挙措置、交通安全教育の推進等、自転車事故防止のための必要な対策に取り組んでまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) (二)に進みます。 現状では、明確な事故の差異は生まれてないというんですが、良心的運転者さんによって自転車に乗っていても優先されるという成功体験が続いていくことで、この先、事故が増えていく可能性は否定できません。そうした事態を防ぐために、「自転車は横断するなら降車して待機」的な啓発を考え、これ市町村と連携しながら実行していく必要があると考えるんですが、いかがでしょう。県民生活部長からお答えをお聞かせください。       〔真砂和敏県民生活部長登壇〕 ◎真砂和敏県民生活部長 御質問にお答え申し上げます。 横断歩道上での事故を防止するためには、車両運転者が横断歩道を通行する際、自転車にまたがっている方がいたとしても、安全を確認して通行することがルールとなっております。そのため、県では警察や市町村と連携しながら、車両運転者と自転車利用者の双方に対しまして、横断歩道における歩行者優先の徹底を周知してまいりました。JAFの調査によりますと、信号機のない横断歩道で一時停止する車両の割合は、平成三十年の七・八パーセントから令和三年は二三・六パーセントに増えているという結果が出ております。 議員お話しの啓発についてですが、法令上、自転車から降車して待機という明確な規定はありませんので、このような趣旨を特定して啓発することは自転車利用者が戸惑う可能性があると考えます。そのため、引き続き自転車は車両であるとの認識を一層高めていくとともに、自転車は横断中の歩行者の通行を妨げるおそれがある場合には、自転車に乗ったまま通行できないことを啓発してまいります。 今後とも、県警察や市町村、関係機関と連携しながら、横断歩道での交通事故の減少を目指し、啓発活動に取り組んでまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 難しい側面があるようですが、やはりきちんとここで将来の危険性、指摘させていただきましたので、何らか考えていただけることを期待して、最後、七、都市計画道路草加三郷線についてに進んでまいります。 (一)柳島工区の進捗状況と見通しです。 この路線、私が市議一期のときから取り組んでいただいて、まだやっているところでございます。現場としては一生懸命取り組んでいただいていることを十分認識しておりますが、こうして地元でいえば谷古宇県議、秋元県議の頃から継続して取り組んでいただいて今に至っている事業でございますので、現在の進捗状況、そして今後の見通しについて、県土整備部長からお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 木下博信議員の御質問にお答え申し上げます。 草加三郷線は、草加市西部の都県境から八潮市を経て三郷市に至る延長約十キロメートルの四車線の都市計画道路です。このうち、柳島工区につきましては、県道吉場安行東京線との交差点において右折帯の設置を伴う拡幅整備を進めております。 現在の進捗状況ですが、用地買収率は九七パーセントとなっており、用地がまとまって取得できた箇所について、歩行者の安全対策として暫定的な歩行空間の整備を行いました。道路の拡幅には車線を切り換えながら、既存の水路の付替工事を先行して行う必要があり、これまでに、水路の延長六百七十メートルのうち四百六十メートルの整備が完了しております。 令和四年度は、交差点付近を横断するガス管の移設を進めながら、百三十メートル区間の水路工事を実施します。また、交差点東側に位置する辰井橋の架換えに向けた橋りょうの詳細設計や、架換えに支障となる工業用水等の移設協議を進めてまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 御答弁いただきました。九七パーセントの用地ということで、正に先ほど言ったように、もう三十年近くにもうすぐなろうという工区でございます。これからも迅速に整備できるように御努力いただけることを期待して、次の(二)瀬崎町工区の進捗状況と見通しについてお伺いいたします。 こちらも、近隣の皆さんから期待の大変多いところでございます。着実にやっていることは認識しておりますが、住民の期待に応え、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長より明確にしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 御質問にお答え申し上げます。 都市計画道路草加三郷線の瀬崎町工区につきましては、県道足立越谷線との交差点から東武伊勢崎線までの区間において拡幅整備を進めております。 現在の進捗状況ですが、用地買収率は九八パーセントとなっており、全ての用地が取得できた道路南側の区間において暫定的な歩行空間を整備いたしました。この工区につきましても、車線を切り替えながら北側の既存水路の付替工事を先行して行う必要があり、令和三年度はこの工事に支障となる水道管の移設を行いました。令和四年度は電柱の移設を進めながら、百三十メートル区間の車線を南側に切り替える工事を実施してまいります。 今後とも、残る用地の取得に努めるとともに、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、草加三郷線の事業を推進してまいります。 ◆三十三番(木下博信議員) 以上で終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手起こる)          ---------------- △次会日程報告
    ○中屋敷慎一議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明二十九日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○中屋敷慎一議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時三十一分散会          ----------------...